中国、「軍事作戦」で軍艦展開 台湾総統府
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【12月6日 AFP】台湾は5日、中国が黄海から南シナ海に至る数百キロに及ぶ「軍事作戦」のために軍艦を展開し、インド太平洋地域に「脅威」を与えていると発表した。
台湾を自国領土の一部だと主張する中国は、この動きを肯定も否定もしていない。
台湾総統府のカレン・クオ報道官は記者団に対し、国防部(国防省)などが中国の活動を監視しており、「状況を完全に把握している」と述べた。
クオ報道官は派遣された中国艦艇の数を明らかにしなかったが、安全保障筋はAFPに対し、「相当な数」だと語っている。この安全保障筋はメディアへの発言を許可されていないため、匿名を条件に語った。
クオ報道官によると、「軍事作戦」の範囲は台湾海峡だけでなく、黄海南部から、尖閣諸島(台湾での呼称は釣魚台列嶼)付近の東シナ海、南シナ海、さらには西太平洋にまで及んでいるという。
同報道官は、「これはまさにインド太平洋、そして地域全体に脅威と影響を及ぼしている」と述べた。
さらに、台湾は中国側に「自制」を求めたとして、「われわれはこの問題にうまく対処できると確信している」と付け加えた。
台湾が中国軍の艦艇を確認したと主張している地域では、中国軍も中国国営メディアも軍事活動の活発化を発表していない。
中国国防省の蒋斌報道官は5日、海軍の公海訓練は国際法に準拠しており、「特定の国や標的に向けたものではない」と述べた。
中国外務省の報道官は、中国政府は「一貫して防衛政策をとってきた」と述べ、「関係当事者」に対し「過剰反応したり、根拠のない誇大宣伝をしたりしないよう」求めた。
中国は台湾を武力で併合する可能性を排除せず、南シナ海のほぼ全域の領有権を主張している。
台湾の情報機関トップは3日、10月から12月は中国の「年次評価演習」の「ピークシーズン」だが、中国共産党が一見すると日常的な軍事演習を台湾を標的としたものに転換する可能性があると警告した。(c)AFP