中国の駐大阪総領事、高市首相を脅迫「汚い首は斬ってやるしかない」
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【11月11日 AFP】台湾有事発言をめぐり中国の薛剣駐大阪総領事が高市早苗首相に対し「汚い首は斬ってやるしかない」と脅迫したことを受け、日本政府は10日、中国側に抗議したと明らかにした。
薛氏は8日、X(旧ツイッター)で朝日新聞が投稿した記事「高市首相、台湾有事『存立危機事態になりうる』 認定なら武力行使も」を引用し、「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇(ちゅうちょ)もなく斬ってやるしかない。覚悟ができているのか」と投稿した。現在は削除されている。
対中タカ派と目されてきた高市氏は7日の衆院予算委員会で、台湾有事をめぐって日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に該当する具体例を問われ、「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になりうるケースだと私は考える」と答弁。
「台湾有事は深刻な状況に今、至っている。最悪の事態も想定しておかなければいけない」と付け加えた
中国政府は台湾を自国領土の一部とみなし、統一のためには武力行使も辞さない構えを示している。
木原稔官房長官は10日の記者会見で、薛氏の投稿は、「中国の在外公館の長の言論として極めて不適切と言わざるを得ない」と述べ、強く抗議するとともに投稿の速やかな削除を求めたと明かした。
高市氏は10日の衆院予算委員会で、発言は「政府の従来の見解に沿ったもので、特に撤回、取り消しをするつもりはない」と述べた。
だが、「今後は特定のケースの想定を明言することは慎む」と付け加えた。
2015年に成立した安全保障関連法では、日本と密接な関係にある他国への武力攻撃により日本の存立が脅かされるなどの明白な危険がある場合を存立危機事態と規定。限定的な集団的自衛権の行使が可能となる。
中国外務省の林剣副報道局長は定例記者会見で薛氏の投稿について問われると、台湾は「中国の領土の不可分の一部」だと回答。
「中国は日本に対し、台湾問題における歴史的責任を反省し、台湾独立勢力に誤ったシグナルを送ることをやめるよう強く求める」と付け加えた。(c)AFP