ドイツ「外部から助言は不要」 トランプ氏の極右勢力支援方針受け
このニュースをシェア
【12月6日 AFP】ドナルド・トランプ米政権が欧州の同盟国を強く批判する内容の「国家安全保障戦略(NSS)」を公表したのを受け、ドイツのヨハン・ワーデフール外相は5日、同国は「外部からの助言」を必要としていないと述べた。
トランプ氏が掲げるアメリカファースト(米国第一主義)の世界観を具現化することを目的としたNSSは、米国の焦点を世界での役割から中南米における支配力の強化と移民対策に転換していくと述べている。
また、欧州における米国の伝統的な同盟国についても厳しく批判し、米国は移民問題などで欧州連合(EU)主導の価値観に反対する勢力(極右勢力)を支援していくと述べた。
この戦略について問われた中道右派キリスト教民主同盟(CDU)所属のワーデフール外相は、「米国は北大西洋条約機構(NATO)において、現在も、そして今後も、最も重要な同盟国であり続けるだろう。しかしながら、NATOは安全保障政策上の課題への対応に重点を置いている」と強調した。
「表現の自由やわれわれの自由社会の組織化といった問題は、少なくともドイツに関しては、(NSSに)含まれていないと考える」「われわれは今後、これらの問題についてドイツ国民だけで議論・討論できると考えている。外部からの助言は必要ない」と付け加えた。
米国と欧州の伝統的に強固な関係は、トランプ氏がホワイトハウスに復帰して以来、揺らいでいる。トランプ政権は移民問題から表現の自由に至るまで、幅広い問題で欧州を批判している。
トランプ政権はドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」との関係強化にも努めており、9月にはAfDの幹部がホワイトハウスを訪問した。
ドイツの主流政党は、2月の総選挙で第2党に躍進したAfDとの協力はあり得ないと主張している。
AfDは、ドイツで過激派を監視する公安組織、憲法擁護庁から「極右過激派」に指定されたが、裁判で異議を唱えている。(c)AFP