■「流産」の増加

このようなタブーがあり、実態を反映した統計もないことから、アフガニン保健省のシャラファト・ザマン報道官は、中絶禁止の影響を受ける女性は「​​ごくわずか」だと主張した。

イスラム教を厳格に解釈するタリバンは2021年に復権した際、中絶に関する法律を変更しなかった。

だが、AFPがインタビューした多くの医療関係者によると、当局は病院で中絶が行われていないかを従来よりも頻繁に確認している。医師たちはパニックに陥り、女性たちは秘密裏に中絶するよう迫られている。

複数の医師が、2021年以降、流産の件数が増加していると述べている。患者の外傷や心理状態を考えると、ひそかに中絶を行ったことを隠しているのはないかと疑っているという。

国連関係者はAFPの取材に対し、「予算の制約と家族計画サービスの強制的な閉鎖により、近代的な避妊法へのアクセスが脅かされている」と語り、アフガンの女性​​のうち、コンドーム、インプラント、ピルといった避妊法を利用できるのは半数にも満たないと説明した。

アフガンは妊産婦死亡率・乳児死亡率で世界最悪レベルで、昨年から女性が助産師や看護師になるために医学部で学ぶことが禁止されている。

保健省のザマン報道官は、秘密裏の中絶の危険性や、一部の女性が「問題」に直面していることを認めつつも、それは政府の責任ではないと述べた。

アフガンでも母体の命が危険にさらされている場合には中絶が認められることになっているが、実際に認められるケースはほとんどない。

ザマン氏によると、タリバンにとって中絶は「命を奪うこと」なのだという。