【11月28日 AFP】日本政府は27日、ドナルド・トランプ米大統領が高市早苗首相に対し、台湾問題で中国を挑発しないよう電話で助言したという米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報道について、「そのような事実はない」と否定した。

中国外務省によると、習近平国家主席は24日、トランプ氏との電話会談でこの問題を強く訴え、台湾の「返還」は「戦後国際秩序の不可欠な一部」だと述べた。中華人民共和国(中国共産党)は台湾を統治したことが一度もないにもかかわらず、台湾は自国領土の一部だと主張し、武力を行使してでも併合すると脅している。

WSJは27日、この会談の直後に「トランプ氏は高市氏と電話会談を行い、台湾の主権に関する問題で中国政府を挑発しないよう助言した」とこの電話会談について説明を受けた日本政府関係者と米国側関係者の話として報じた。

だが、木原稔官房長官は27日の記者会見で、WSJの報道を否定。「トランプ氏から台湾の主権に関する問題で中国政府を挑発しないよう助言との記述があるが、そのような事実はない」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。

高市氏はトランプ氏との電話会談について、同氏と習氏の会談や日米関係について話し合ったと説明。「トランプ大統領からは、私とは極めて親しい友人であり、いつでも電話をしてきてほしいというお話がございました」と述べている。

だがWSJは、「日本政府関係者はその(トランプ氏からの)メッセージを憂慮すべきものだと述べた」「大統領は台湾をめぐる摩擦が、先月習主席との間で合意に達した緊張緩和を危うくすることを望んでいなかった。その合意には、貿易戦争で打撃を受けた米国の農家から農産物をより多く購入する約束が含まれている」と報じた。