【11月29日 東方新報】中国商務部のウェブサイトによると、11月20日、商務部電子商務司の担当者が2025年1〜10月の電子商取引(EC)の発展状況を紹介した。今年1〜10月、中国のECは、消費の底上げや生活向上、現代的な産業体系の構築、ハイレベルな対外開放の拡大などにおいて積極的な役割を果たし、商務分野の新たな成長エンジンになり続けている。

デジタル消費は内需拡大と生活の質の向上を後押ししている。デジタル消費や「品質重視型EC」が新しい供給を生み出し、新たな需要を喚起している。国家統計局によれば、1〜10月の全国オンライン小売額は前年同期比9.6%増となった。スマート製品、オンラインサービス、即時配送型ECが特に好調で、商務部のビッグデータでは、AIグラスやスマートウォッチなどのスマートウェアラブルのオンライン売上が23.1%増加し、オンラインサービス消費も21%増えた。とりわけ、オンラインでクーポンを購入して店舗で利用する店頭利用型の飲食サービスは25.1%増、即時配送ECによる利便性の高い需要も拡大し、売上は24.3%増となった。

産業分野のECは、企業のデジタル化・スマート化を推進している。主要ECプラットフォームは、中小企業を対象にした支援やマッチングを通じてデジタル転換や柔軟な生産体制の構築を後押ししており、これまでに400回を超える産業ECイベントを開催した。商務部の重点監測分野では、繊維産業のEC取引額が5.5%増、医薬品分野が3.4%増となった。また、山東省(Shandong)で実施された「デジタル商業による農業振興」イベントでは、山西省(Shanxi)・甘粛省(Gansu)・江西省(Jiangxi)などと連携して特色ある農産品のEC販売を促進した。1〜10月の農産物ネット販売額は9.5%増、農村部のEC販売額も7.5%増となっている。

「シルクロードEC」は、中国が一帯一路沿線国と進めている越境EC(国際オンライン商取引)の取り組みで、中国市場と海外市場をつなぐ役割を担っている。このプロジェクトでは、各国の商品を中国のECプラットフォームで紹介し、販売を支援するなど、国際的な流通ネットワークづくりが進んでいる。
シルクロードECのモデル地域として指定された先行区では、物流や通関、オンライン商談などの仕組みが整備され、12の実践ケースが全国に展開されている。また、「シルクロードECで世界を潤す」と題した一連のイベント(計36回)が開催され、中国の巨大市場を世界のビジネスチャンスとして紹介した。さらに、第8回中国国際輸入博覧会(輸入博、CIIE)の会期中には「シルクロード雲品」と呼ばれる越境ECキャンペーン月間が行われ、「アフリカの特産品フェア」「東南アジア諸国連合(ASEAN)の特産品フェア」「新興5か国(BRICS)物産展」など、地域ごとのオンライン物産展が多数開催された。これらのイベントは、ECプラットフォーム、ブランド企業、パートナー国の国家館、商業施設などをつなぎ、海外の高品質商品が中国市場に入りやすくなるよう促進している。

商務部が主要ECプラットフォームを対象に行っている重点的なモニタリングによると、1〜10月の輸入商品販売額は前年同期比8.9%増となった。なかでも、ウズベキスタン産の菓子は73.7%増、タイ産マンゴスチンは39.9%増と大きく伸びており、海外産品の人気が一段と高まっている。(c)東方新報/AFPBB News