【11月24日 AFP】ブラジルのジャイロ・ボルソナロ前大統領は23日、裁判所命令で装着を義務付けられた足首の監視装置を無効化しようとしたことについて、「偏執的な状態」に陥っていたために、そうした行為に及んだと弁明した。

ボルソナロ氏は、未遂に終わったクーデター計画に関する有罪判決を不服として上訴し、自宅軟禁下に置かれていたが、最高裁が逃亡のリスクがあると判断し、22日に刑事施設へ移送された。

AFPが入手した文書によると、23日の審理で同氏は「21日から22日にかけて、薬の影響である種の被害妄想を経験した」と述べ、さらに「逃亡する意図はなかった。装置のストラップを破壊してはいない」と主張した。

また、21日午後の大半を装置の分解を試みることに費やし、真夜中頃に「正気を取り戻して」やめたと説明した。

裁判所が22日に公開した動画では、「好奇心から」監視用ブレスレットにハンダごてを使用したことを認めている。

弁護団は裁判所に対し、前大統領が「精神的混乱状態」にあるとして、処遇を「人道的な自宅軟禁」に戻すよう求めた。

弁護士らによれば、同氏が処方されている複数の薬の副作用により被害妄想が生じ、現実認識が乱れていたという。服用している薬は、数か月にわたって続く「しゃっくりの発作」を和らげるためのものだと説明している。(c)AFP