ソウル市内のある不動産仲介事務所に掲示された売り物件チラシ(c)news1
ソウル市内のある不動産仲介事務所に掲示された売り物件チラシ(c)news1

【11月21日 KOREA WAVE】韓国で10月15日に発表された不動産対策の影響で、ソウルのマンション売り物件数がわずか1カ月で15%以上減少し、7万件台にまで落ち込んだ。住宅の供給が減り続ける中で「取引氷結」が深刻化し、需給の不均衡から再び価格上昇圧力が高まるとの懸念が広がっている。

不動産情報プラットフォーム「アシル」のデータによると、ソウル市内のマンション売り物件数は現在7万4044件で、1カ月前(8万2723件)から15.3%減少した。25の自治区のうち、唯一の例外である龍山区(0.8%増)を除き、全地域で在庫が減っている。

中でも城北区は3087件から2252件へと27.1%も減少し、最も大きな下落を示した。江南区や麻浦区、東大門区などの主要地域でも20%超の減少率が観測されている。

こうした動きは、買い手・売り手の双方が動けない「構造的な取引不全」に起因するものと、専門家は分析している。

不動産研究機関は「買い手は住宅ローン規制により購入できず、売り手は高額な税負担や土地取引許可制のために売却できない。10・15対策は結果的に売り物件のロックイン(市場からの退出)を深めた」と指摘した。

さらに来年の入居予定物件数が大幅に減ることで、在庫不足と需給の不均衡がより一層深刻化するとの見方もある。2026年に予定されているソウル市内のマンション入居数は約4200戸と、2025年の4万6000戸の1割にも満たない。

専門家は、こうした状況が価格上昇の引き金になる可能性を指摘する。既存物件が新築供給の代替となる「希少資産」と見なされると、冷え込んでいた買い意欲が再燃し、再び市場の不安定さが表面化する可能性があるからだ。

同機関は「ソウル全体で入居が1万戸を切る状況で売り物件も減ると、江南・龍山・城東などの核心地域から価格が再び上昇する可能性が高い」と展望する。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News