【11月20日 AFP】子どもの権利保護を訴える国際非政府組織(NGO)「セーブ・ザ・チルドレン」は20日、ミサイルなど爆発を伴う兵器により死亡または負傷した子どもの数が2024年に過去最多となったとする報告書を発表した。その背景として、都市部で頻発する武力衝突の影響が大きいとしている。

同団体によると、昨年、世界中で約1万2000人の子どもが紛争で死亡または負傷した。これは2006年の統計開始以降で最多で、2020年比で42%増となった。

戦闘地域ではこれまで、子どもたちは栄養失調や病気、あるいは医療体制の崩壊などによって命を落とすケースが多かった。

しかし同団体は、パレスチナ自治区ガザ地区、スーダン、ウクライナなどで都市部の戦闘が増えており、病院や学校、住宅地が爆弾やドローンの攻撃を受ける中で子どもたちが巻き込まれる事例が急増していると指摘した。

2024年の紛争地帯における子どもの死傷者の70%以上は、ミサイルや手りゅう弾などの爆発性兵器によるものだった。これは2020~24年の平均約59%を上回った。

セーブ・ザ・チルドレンUKの紛争・人道支援アドバイザー、ナルミナ・ストリシェネッツ氏は「世界は子ども時代が意図的に破壊されていく光景を目の当たりにしている。その事実は否定できない」と述べた上で、「子どもたちは今日の戦争で最も大きな代償を払っている。ミサイルは子どもたちが眠り、遊び、学ぶ場所に落下し、本来は最も安全であるべき家庭や学校が死の罠になっている」と訴えた。

2024年に子どもの死傷者が最も多かった紛争地域は、ガザ、被占領下のヨルダン川西岸、スーダン、ミャンマー、ウクライナ、シリアだった。

近年、子どもにとって最も被害が甚大な紛争はガザで、報告書によると、イスラエルが2023年10月のイスラム組織ハマスによる攻撃への報復として開始した軍事作戦以降、約2万人の子どもが死亡したという。(c)AFP