スターバックスに続き、バーガーキングも中国資本と提携
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【11月18日 東方新報】スターバックス(Starbucks)に続き、米ファストフード大手バーガーキング(Burger King)も中国事業の新たなパートナーを迎えた。
11月10日、バーガーキングの親会社であるレストラン・ブランズ・インターナショナル(Restaurant Brands International、以下RBI)は、中国の投資会社・CPE源峰(CPE)と戦略的提携に合意し、両社で合弁会社「バーガーキング中国」を設立すると発表した。この取引は2026年第一四半期に完了する予定だ。今回の取引では、バーガーキング中国の全額出資子会社が20年間の開発契約を結び、CPE源峰は合弁会社に3億5000万ドル(約542億2550万円)を出資する。取引完了後の出資比率はCPE源峰が約83%、RBIが約17%となる。
2025年はバーガーキング中国の進出20周年にあたる。2005年に中国市場へ参入したバーガーキングは、ケンタッキーフライドチキン(KFC)やマクドナルド(McDonald)より約20年遅れており、進出当初の7年間は出店が伸び悩んだ。2012年にトルコのTFI TAB フード・インベストメンツ(TFI TAB Food Investments)が独占フランチャイズ権を取得してから出店が加速し、2018年に1000店舗を突破した。当時のCEOは「3年でさらに1000店を開く」と宣言したが、成長は続かなかった。
2019年の店舗数は1300店に増えたものの、そこから3年間は1400店前後で停滞し、2023年末にようやく1500店に達した程度だった。その間、競合は急成長した。ケンタッキーは「疯狂星期四(クレイジー木曜日)」というネット文化を築き、マクドナルドは「麦門」と呼ばれる熱心なファン層を獲得した。中国ローカルのハンバーガーチェーン・華莱士(Wallace)と塔斯汀(Tasiting)は店舗数が1万店を超える巨大ブランドに成長している。現在、ケンタッキーは1万2119店、マクドナルドは7986店、華莱士は1万9648店、塔斯汀は1万442店を展開しており、バーガーキング中国の1339店は大きく水をあけられている。
RBIの年次報告によれば、2024年のバーガーキング中国の1店舗あたり平均年間売上は約40万ドル(約6197万2000円)で、フランス店舗の約10分の1にとどまる。
2024年には「加盟店オーナーが300万元(約6539万9400円)を投資して全損した」という話がSNSで話題となり、品質管理の問題や本部対応の遅れが注目された。本土化の遅さも、業績が伸びない大きな要因だと加盟店側は指摘する。ケンタッキーやマクドナルドが地域の味に寄せた商品や積極的なプロモーションを展開する一方、バーガーキングは水曜の「キングデー(割引デー)」や木曜の「キングセール」を打ち出したものの、広く定着することはなかった。
こうした状況を受け、RBIは2024年10月にTFIとの契約を1億5800万ドルで早期終了し、中国事業を前倒しで引き戻した。2025年2月にはバーガーキング中国を完全子会社化し、経営陣を刷新した。中国KFCを経営する百勝中国(Yum China)の元サプライチェーン責任者や、マクドナルド中国の元マーケティング幹部を起用し、不採算店の整理、看板商品の強化、ローカル向け新商品の開発、IP(知的財産)コラボなどを進めた結果、2025年第三四半期の総売上は1億7200万ドル(約266億1184万円)に達し、既存店売上は10.5%成長した。
RBIは再出発に向け、新たなパートナー探しも進めていた。今年10月には複数の候補と会談し、その後CPE源峰との提携を決めた。CPE源峰は、スターバックス中国の新パートナー・博裕資本(Boyu Capital)と同じくミルクティーチェーン「蜜雪冰城(Mixue)」の投資家であり、飲食や消費サービス企業への投資実績も豊富だ。今回の合弁ではCPE源峰が大きな持分を持ち、今後の事業運営で主導的な立場を担う見込みだ。
合弁会社の明確な目標として、現在1250店ほどの店舗数を2035年までに4000店以上へ拡大する計画が掲げられている。RBIのCEOジョシュ・コブザは、中国市場は依然としてバーガーキングにとって最も魅力的な長期成長市場のひとつであり、今回の合弁はその自信を示すものだと語った。
バーガーキングのグローバルブランド力と、CPE源峰の資金力と中国市場での運営ノウハウを組み合わせることで、中国事業の成長ポテンシャルが大きく引き出されると期待されている。(c)東方新報/AFPBB News