【11月7日 AFP】米連邦最高裁は6日、パスポート申請者に対し、性自認ではなく出生時の生物学的な性別の記載を義務付けるよう、ドナルド・トランプ政権が求めた方針を認めた。

トランプ氏が1月、性別は「生物学的な男女」のみを認めるとする大統領令に署名したのを受け、米国のパスポートにおける第3の性別である「X」の表記を廃止。これにより、米国務省が発行するパスポートには、申請者の出生時の性別「M(男性)」または「F(女性)」が記載されることが義務付けられた。

人権団体の全米自由人権協会(ACLU)はこの方針に異議を唱え、連邦地裁も影響を受けるトランスジェンダーおよびノンバイナリーの人々への「X」パスポートの発行再開を命じた。

その後、控訴裁判所は地裁命令を覆そうとしたトランプ政権の申し立てを却下し、司法省は最高裁に緊急停止命令を要請していた。

その中で最高裁は、下級審での審理が続く間、トランプ政権のパスポート方針を当面維持できると判断した。

保守派が多数を占める現最高裁判事のうち3人は、トランプ大統領によって任命されており、リベラル派の判事3人がこの判断に反対した。(c)AFP