【2月22日 AFP】米HBOの人気テレビドラマ「ユーフォリア/EUPHORIA」で知られる米国の俳優でトランスジェンダー女性のハンター・シェーファーさんが20日夜、TikTokのストーリーズで、自身のパスポートのジェンダー表記が男性に変更されていたことを明らかにし、「ジェンダーの多様性」を認めることを悪とするドナルド・トランプ政権を非難した。

シェーファーさんは21日に改めて投稿した動画で、「もう10年間も」身分証明書には女性と表記されていたにもかかわらず、パスポートの性別表記が変更されたのはトランプ氏の政策のせいだと非難。

パスポートを見せながら、「いつも通りすべて記入した。女性と記入したが、きょう届いたパスポートを開いてみると、ジェンダー表記が男性に変更されていた」と述べ、去年パスポートを盗まれたため再発行しなければならなかったと説明した。

トランプ氏は就任後間もなく、同国は男性と女性の二つの性別しか認めないと宣言。一連の大統領令でトランスジェンダーの人々を攻撃している。

国務省によれば、トランプ政権が「ジェンダー・イデオロギーの過激主義」と呼ぶものに関する大統領令に基づき、国務省領事局は性別欄に男女どちらでもないことを示す「X」と表記したパスポートの発給を中止するとしている。

同局のウェブサイトでは、「申請者の出生時の生物学的性別と一致するM(男性)またはF(女性)の性別表記の付いたパスポートのみを発給する」と説明されている。

シェーファーさんは、出生証明書の性別表記を女性に変更していなかったことから、「パスポートの担当機関は現在、出生証明書との相互参照を義務付けられている」との考えを示した。

「性別表記を変更して以来、このようなことが起きたのは初めてだ。これはわが国を現在運営している政権の直接的な結果に間違いないと思う」と続けた。

パスポートの性別表記が「M」となっているのを見て「ショックを受けた」が、「こうした実態と、実際に起きていることについて知らせるため」に今回の出来事について投稿したという。

シェーファーさんは携帯電話のカメラに向かって、トランスジェンダーの人々が「存在しなくなることは決してない。私はトランスであることをやめない。パスポートの一文字でそれを変えることはできない。この(トランプ)政権なんてクソくらえだ」と毅然と語っている。(c)AFP