【11月1日 AFP】タンザニアの主要野党・民主開発党(CHADEMA)は、大統領選に対する3日間にわたる抗議デモで数百人が死亡したと発表した。政府は「過度の武力行使」を否定している。

治安筋と外交官は、10月31日も抗議デモが続いており、死者は「数百人」に上るとAFPに語った。

サミア・スルフ・ハッサン大統領は10月29日の大統領選で圧勝。自身の立場を固めるべく、党内野党を黙らせようとした。大統領選では、主要な対立候補は投獄されるか、立候補を禁じられるかした。

だが、大統領選当日、ダルエスサラームなど各地で群衆が街頭に繰り出し、サミア大統領のポスターを破ったり、警察や投票所を襲撃したりするなどの混乱が起き、インターネットが遮断され、夜間外出禁止令が出された。

マフムード・タビト・コンボ外相は、政府は死者に関する「数字を把握していない」と述べた。

外相はアルジャジーラのインタビューで、「現時点で過度の武力行使はない」 「今のところ、抗議デモで死亡した人数は不明だ」と述べた。

これに対し、民主開発党は非常に多くの死者が出たと主張している。

民主開発党の広報担当者ジョン・キトカ氏はAFPに対し、「死者数はダルエスサラームで約350人、ムワンザで200人以上だ。他の地域と合わせると、約700人に上る」と語った。

「死者数はもっと多い可能性がある」と警告し、外出禁止令が出されている夜間に人々が殺害されている可能性もあると述べた。

治安筋は死者数について、全国で500人以上、おそらく「700~800人」という報告を受けていると語った。

外国人ジャーナリストによる大統領選の取材はほぼ禁止され、通信の遮断も3日目に入っているため、現地からの情報はほとんどない。

国連事務総長報道官は声明で、アントニオ・グテレス事務総長はデモ中の死傷者の報告も含めタンザニアの状況を「深く懸念している」と述べた。

タンザニア大統領選後の騒乱をめぐり国際機関から初めて死者数が発表されたのは10月31日早朝、国連が10人死亡という「信頼できる報告」を得たと発表した時だった。一方、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは少なくとも100人が死亡したとの情報を得ていると述べた。

サミア大統領はこの騒乱についてまだコメントしておらず、タンザニアのニュースサイトは大統領選当日の10月29日以降更新されていない。

ヤコブ・ムクンダ陸軍司令官は10月30日夜遅く、デモ参加者を「犯罪者」と呼んだ。(c)AFP