独首相の盟友、世論調査の「厳しい」結果に警鐘 極右AfDが支持拡大
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【11月1日 AFP】ドイツのフリードリヒ・メルツ首相の盟友イェンス・シュパーン氏は10月31日に公開されたインタビューの中で、連立政権の支持率が低下し、極右勢力が勢力を拡大する中、世論調査の「厳しい」結果に直面していると警告した。
シュパーン氏は歯に衣着せぬ物言いで知られ、保守・キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の連邦議会会派でのリーダー(院内総務)を務めている。過去にはアンゲラ・メルケル政権で保健相を務めたこともある。
シュパーン氏はポリティコのインタビューで、「信頼の喪失は著しく、期待は高く、懐疑心は高まっている」と述べた。
CDU・CSUと中道左派、社会民主党(SPD)との連立政権は5月の発足以来、世論調査で支持率が下がり続けている。
世論調査によると、メルツ氏率いるCDU・CSUの支持率は25~27%で、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」と拮抗(きっこう)している。2月の総選挙で過去最悪の結果に終わり、第3党に転落したSPDはそこからさらに支持率を下げ、わずか13~15%となっている。
シュパーン氏は、「勝つ時は一緒、負ける時も一緒だ。今、われわれは一緒に負けている。世論調査は厳しい結果となった」と述べた。
ドイツ16州のうち5州で来年実施される地方選挙ではAfDが大きく議席を伸ばすと見られており、メルツ氏はAfDを「主な対抗者」として地方選挙を戦うと表明している。
シュパーン氏は、CDU・CSUとSPDが与党としての地位を維持できるかどうかは、今会期中の行動にかかっていると述べた。
連立政権内では司法官の任命や徴兵制の復活の是非などをめぐって対立が繰り返され、イメージを損なっている。
こうした対立は、メルツ氏が掲げる、停滞するドイツ経済を立て直すための迅速かつ断固たる改革という公約も危うくしている。
シュパーン氏は、経済成長の回復と国民感情の変化に期待を示し、連立政権は必ず成果を出さなければならないと主張。
「ドイツは長い間、非常に暗い雰囲気の中にある」「個人としてはまだ順調な国民でさえ、ドイツの最盛期は過ぎ去ったと感じている」と述べた。(c)AFP