■「無差別」の暴力

アラブ・アフリカ問題担当の米大統領上級顧問、マサド・ボウロス氏は10月中旬、スラム過激派組織「イスラム国(IS)」に言及し、「ボコ・ハラムとイスラム国は、キリスト教徒よりもイスラム教徒を多く殺害している」と述べた。

米国に拠点を置く監視団体「武力紛争発生地・事件データプロジェクト(ACLED)」のアフリカ担当上級アナリスト、ラッド・セルワット氏は、AFPに対し、ナイジェリアにおけるイスラム過激派の暴力は「無差別」だと語った。

ACLEDのデータによると、2009年以降、ボコ・ハラム、ボコ・ハラムから分派したイスラム過激派組織「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」、中部および北部の民族集団または共同体の利益を保護・促進するために組織された民兵、「盗賊団」による暴力、自警団などによる標的を絞った政治的な攻撃によって、民間人5万2915人が殺害されている。

このデータによれば、2020~2025年、キリスト教徒を標的とした暴力事件が少なくとも389件発生し、少なくとも318人が死亡。イスラム教徒を標的とした暴力事件は197件発生し、400人以上が死亡した。

トランプ大統領の発言は、ナイジェリアの分離独立派、ビアフラ共和国亡命政府によるロビー活動が行われる中で出たもの。

米国の外国によるロビー活動規則の一環として開示された文書によると、ビアフラ共和国亡命政府を代表するモラン・グローバル・ストラテジーズは3月、米連邦議会に対し、ナイジェリアにおける「キリスト教徒への迫害」について警告する書簡を送付した。

ビアフラ共和国は、1967年にナイジェリアから独立を宣言し、1970年まで内戦を戦ったが降伏し、解体された。(c)AFP