【10月31日 AFP】英国のチャールズ国王は、弟アンドルー王子の王室称号とウィンザー城内の長年の住居を剥奪する。王室が30日、明らかにした。少女らへの性的人身取引の罪で起訴され勾留中に自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン元被告をめぐるスキャンダルに悩まされている英王室にとって、新たな痛手となる。

​​王室は「アンドルー王子は今後、アンドルー・マウントバッテン・ウィンザーと呼ばれることになる」として、チャールズ国王が弟から王子の称号などを剥奪する正式な手続きを開始したと述べた。

アンドルー王子はまた、ウィンザー城の広大な敷地内にある長年の住居から退去するよう求められており、「代替の私的な宿泊施設」に移ることになる。

21日には、エプスタイン元被告の主要な告発者の一人、故バージニア・ジュフリーさんの回顧録が発売された。ジュフリーさんはその中で、17歳だった時を含め、アンドルー王子と3回性行為をしたと主張するなど衝撃的な告発を詳細に記している。

アンドルー王子はジュフリーさんの告発を繰り返し否定しているが、2022年に数百万ドルの和解金を支払って裁判を回避した。

米国とオーストラリアの国籍を持つジュフリーさんは4月25日、41歳で自殺した。エプスタイン元被告も2019年、勾留中に自殺した。

王室は、「アンドルー王子は引き続き自身に対する疑惑を否定しているが、これらのけん責は必要だと判断された」「両陛下は、これまでも、そしてこれからも、あらゆる形態の虐待の被害者と生存者の方々に最大限寄り添っていることを明確にしたい」と述べた。(c)AFP