海外へ拡大「韓国健康機能食品」市場…紅参から代替甘味料まで多様化
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【10月30日 KOREA WAVE】世界的な高齢化とウェルネス志向の高まりを背景に、健康機能食品(サプリメント)市場が急拡大している。そうしたなか、信頼性の高い「韓国ブランド」がグローバル市場でも評価され、「K-健康機能食品」として海外進出が加速している。
韓国関税庁の貿易統計によると、2025年9月の健康機能食品および未分類調整食品の輸出額は1億7288万ドルで、2024年同月比約34%増加した。グローバル市場調査会社「リサーチ・アンド・マーケッツ」は、世界の健康機能食品市場が2024年の1223億ドルから、2025年には1327億ドルに8.5%成長すると予測。2029年には個別栄養ニーズの高まりを背景に、1814億ドル規模に達すると見込んでいる。
こうした成長機運の中で、韓国の主要健康機能食品企業は内需の低迷を打開すべく海外市場への本格進出を強化している。
食品大手の大象ウェルライフは、患者用栄養食ブランド「ニュケア」シリーズ4種を、2026年より台湾の最大医療用品・医薬品チェーン「メディファースト」316店舗で発売する。2025年6月には台湾食品医薬品局(FDA)に特別医療用途食品として登録されていた。
また、2025年1月にはベトナム医師協会と業務協約(MOU)を締結し、現地に栄養相談センターを設置。個別の患者向け栄養ソリューションの提供に乗り出す方針だ。大象ウェルライフ関係者は「ベトナムでは韓国ブランドへの信頼度が高く、現地の味覚に合った製品と技術力で市場での存在感を強めていく」と語っている。
韓国人参公社(KGC)も、主力製品の紅参を軸に、日本や米国・中国・台湾に現地法人を設立。販売網を拡大している。スティックタイプの紅参製品「エブリタイム」は、2024年の中国向け輸出が前年比44%増と大きく成長。単身世帯や少人数世帯の増加に対応して、容量や成分を細分化し、現地ニーズに応えた点が奏功した。
米国では2015年からコストコに入店しており、2024年には韓国企業として初めて米国の自然派食品チェーン「スプラウツ」にも進出。2025年3月にはカリフォルニアで開催された世界最大のナチュラル製品展示会「NPEW」に参加するなど、北米市場の攻略を加速している。
一方、食品・化学大手の三養も、2025年10月16日に東京で開催された「健康食品原料博覧会(HI Japan)」に参加。水溶性食物繊維素材「難消化性マルトデキストリン」や、代替甘味料「アロロース」などの高機能素材(スペシャルティ素材)を出展した。
今後は米ラスベガスで開かれる北米最大の健康機能食品展示会「SSG 2025」にも参加する。CJ第一製糖のバイオ事業部門も同博覧会に出展し、筋肉の健康や老化予防に効果がある「ウェルエンリッチ・リニフィック」、腸内細菌のバランス改善を目的とした「バイオームエンリッチ・ポストM005」などを紹介する。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News