ハリケーン「メリッサ」、カリブ海で「前例のない」甚大な被害
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【10月30日 AFP】カリブ海を通過したハリケーン「メリッサ」により、ジャマイカやキューバの一部は壊滅的な被害を受け、ハイチでは20人が死亡して10人が行方不明となっている。
米国立ハリケーンセンター(NHC)によると、メリッサの勢力はやや弱まったものの、依然として危険であり、29日にはバハマに接近し、30日遅くにはバミューダ諸島へ向かう見込みだという。
メリッサが通過したキューバのミゲル・ディアスカネル大統領は被害を「甚大」としており、住民たちは被害の確認を始めている。
同国東部では、家屋の浸水や倒壊、道路の冠水被害が発生して住民は苦しんでいる。嵐により窓が破壊され、電線や通信網が寸断され、屋根は吹き飛ばされた。
当局によると、サンティアゴデクーバやオルギン、グアンタナモの各州で合わせて約73万5000人が避難している。
昨年のハリケーン「ベリル」による被害から復興途上の地域もあるジャマイカでは、「インフラや不動産、道路、通信網に前例のない甚大な被害がもたらされた」と、国連常駐調整官のデニス・ズール氏が記者団に述べた。
ジャマイカのアンドリュー・ホルネス首相は、「災害地域」を宣言しており、多くの家屋が破壊されて約2万5000人が避難所に身を寄せている。
ダナ・ディクソン情報相は米CNNに対し、「最も被害の大きい地域にまだ到達できていないため、死亡報告の確認はできていない」と述べた。
サングスター国際空港では再開に向けた作業が進んでおり、ハリケーンの影響を受けた2万5000人ほどの観光客は、「必要であればまもなく出国できるようになる」としている。
ハイチ南部では洪水により子供10人を含む20人が死亡し、10人が行方不明になったと、民間防衛庁のエマヌエル・ピエール長官が発表した。
通信網が寸断されたため、メリッサによる被害の全容はまだ明らかになっておらず、詳細な調査には数日を要する可能性がある。(c)AFP