ハマス、人質1人の遺体返還 家族は合意の次段階に進まないよう要求
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【10月28日 AFP】イスラム組織ハマスは27日、イスラエル側に死亡した人質1人の遺体を引き渡した。ハマスは、ガザ停戦合意に基づき、死亡した残りの人質を返還するよう圧力を受けている。
イスラエル首相府は、イスラエル軍が、死亡が確認された28人の人質のうち16人目の遺体が入ったとハマスが主張するひつぎを受け取ったと発表。「すべての人質の家族には適切に情報が伝えられており、この困難な時期において私たちの心は彼らと共にある。人質を取り戻す努力は続いており、最後の人質が返還されるまで止まることはない」と声明で述べた。
ハマス内部の情報筋は、「きょう、ガザ地区で収容されたイスラエル人捕虜の遺体が赤十字に引き渡された」とAFPに語った。
今回の遺体の引き渡しは、イスラエルの高官や人質家族を代表する団体がハマスに対し、遅れている遺体の返還を急ぐよう要求する中で行われた。
人質の解放を求めるイスラエルの団体「人質と行方不明者家族フォーラム」は、「ハマスは死亡した人質全員の所在を正確に把握している。すべての48人の人質を返還するという合意で設定された期限から2週間が経過したが、13人がまだハマスの拘束下にある」と主張。「家族は、イスラエル政府、米国政府、仲介者に対し、ハマスがすべての義務を果たし、すべての人質をイスラエルに返還するまで、合意の次の段階に進まないよう求めている」と述べた。
ハマスのハゼム・カセム報道官は、残りの遺体の所在をグループが知っているという主張は「虚偽」だと抗議し、2年間の紛争中のイスラエルの爆撃が場所を判別不能にしたと主張した。
カセム報道官は、「占領の口実を見つけるのを防ぐため、停戦合意の第一段階を完了することに対する我々のコミットメントを確認する」とし、「イスラエル人捕虜の遺体をできるだけ早く引き渡すことを決意している」と述べた。(c)AFP/Dave CLARK