【10月21日 AFP】少女らへの性的人身取引の罪で起訴され、勾留中に自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン元被告の主要な告発者の一人、バージニア・ジュフリーさんの回顧録「ノーバディーズ・ガール」が21日に発売された。出版を機に、エプスタイン元被告とドナルド・トランプ米大統領との関係が改めて注目されている。

回顧録のゴーストライター、エイミー・ウォレス氏は米紙ワシントン・ポストに対し、4月に41歳で自殺したジュフリーさんが生前、トランプ氏を称賛していたと語った。

「彼女は大のトランプファンだった。理由は二つある。一つは、彼女がトランプ氏に会ったことがあることだ。彼女はマール・ア・ラーゴで働いており、父親も同じ場所で働いていた。彼女はトランプ氏に何度も会い、彼はいつもとても親切だった」と述べた。

「そして二つ目は、トランプ氏がエプスタイン元被告のファイルを公開すると言ったからだ。トランプ氏は彼女の味方だった。彼女はそう感じていた」とも話した。

BBCによると、ジュフリーさんは本の中でアンドルー英王子と3回性的関係を持たされたと主張している。そのうちの1回は、エプスタイン元被告、アンドルー王子、そして「ほかの8人の若い少女たち」がいたとされる。

本の出版を前に、アンドルー王子は兄チャールズ国王の圧力を受け、ヨーク公爵の称号を返上した。

ジュフリーさんは2000年、トランプ氏のマール・ア・ラーゴクラブで働いていた。当時17歳の未成年で、同書によると、そこでエプスタイン元被告の性的搾取ネットワークに勧誘されたとされる。彼女は「性奴隷として死ぬのではないかと恐れていた」と記している。

トランプ氏は当時、エプスタイン元被告と良好な関係にあり、2002年の米誌ニューヨーク・マガジンでは元被告を「素晴らしい男」と称賛していた。

本によると、ジュフリーさんは父親の紹介でトランプ氏と初めて会ったとされる。バニティ・フェア誌に掲載された抜粋では、トランプ氏から「ベビーシッターをしているのか」と尋ねられ、その後「エリート層の子どもたちの世話をしてお金を稼ぐようになった」と記している。(c)AFP