【10月21日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は20日、ホワイトハウスでオーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相と会談し、レアアース(希土類)に関する協定に署名した。また、米国の主要同盟国であるオーストラリアが、原子力攻撃型潜水艦を確実に取得すると述べた。

両首脳は、中国の影響力拡大を念頭に、防衛と重要鉱物という2つの分野での協力を強化する方針を確認した。

アルバニージー氏は、このレアアース協定によりオーストラリアで85億ドル(約1兆2800億円)規模の重要鉱物プロジェクトが実現し、米豪関係が「次の段階」に進むと述べた。

同氏はこれまで、自国に豊富に存在する重要鉱物資源を活用することで、レアアース供給をめぐる中国の支配力を弱められると訴えてきた。

政府統計によると、オーストラリアはリチウム、コバルト、マンガンの世界有数の生産国であり、これらは半導体や防衛装備、電気自動車、風力タービンなど幅広い分野で使用されている。

一方、中国はリチウムとニッケルの世界最大の精製国であり、その他のレアアース元素の加工でもほぼ独占的な地位にある。

専門家らは、オーストラリアがこの分野で中国の支配を覆す可能性は低いとしつつも、規模は小さいながらも信頼できる供給源として、中国依存のリスク軽減に寄与すると指摘している。

オーストラリア政府によると、米豪両政府は今後6か月間でそれぞれ10億ドル(約1500億円)以上を投資する予定だが、ホワイトハウスは両国合わせて30億ドル(約4500億円)規模の投資を見込んでいるとしている。

会談ではまた、アルバニージー氏が求めてきた、2021年に米英豪の3か国で締結された安全保障枠組み「オーカス(AUKUS)」に基づく原子力潜水艦供与計画の進展についても言及された。

米国は、バイデン前政権下で合意された米国製「バージニア級」原潜3隻の供与計画を見直していたが、トランプ氏はオーストラリアが潜水艦を受け取ると約束した。

トランプ氏はアルバニージー氏と並んでホワイトハウスの閣議室で記者団に対し、「オーストラリア向けの潜水艦建造は本格的に進んでおり、非常に順調だ」と述べた。

原子力潜水艦は、特に中国を念頭に、太平洋での長距離攻撃能力を強化するオーストラリアの防衛戦略の中核をなしている。(c)AFP