■警備スタッフの削減

近年、美術館の訪問者は増えているが、労組によると同時期、警備スタッフの減少でセキュリティーの状況は手薄になっているという。

労働組合関係者によると、過去15年間で美術館では常勤換算で約200人分の職が削減され、現在の職員は約2000人となっている。

連帯統一民主労働組合(SUD)は19日の声明で、ルーブル美術館での警備職削減を批判した。6月中旬には、美術館スタッフが「人手不足」の問題に抗議するために短時間のストライキを行った。

パリ市のダビッド・ベリアール副市長は「美術館の従業員がセキュリティーの問題について数か月前に警告していた」とし、「なぜ美術館の管理者と担当省はこの警告を無視したのか?」とX(旧ツイッター)で指摘した。

■数億ドルの改修

ルーブル美術館についての監査報告を受け、エマニュエル・マクロン大統領は今年、最大9億3000万ドル(約1400億円)の巨大改修プロジェクトを発表した。

このプロジェクトでは、2031年までに美術館のランドマークであるガラスのピラミッドの混雑を緩和するための新しい入口と、モナリザに特化した展示ホールを設置する計画が含まれている。

ダティ文化相は19日に、改修プロジェクトには新しい「警備マスタープラン」が含まれていると述べた。文化省によると、セキュリティー対策が「新世代のカメラの配備により改善される」としている。

■多発する美術館での事件

パリの自然史博物館では先月、夜間に6キロの金塊が盗まれた。

文化財密売対策当局「OCBC(中央文化財取締局)」は今月初め、「美術館は、所蔵する貴重な作品のためにますます標的にされている」とAFPに語った。

金の展示品は「特に露出しており、美術館のセキュリティー状態は銀行の警備よりも手薄だ」と指摘した。

同局の統計によると、美術館の盗難事件は2015年に31件でピークに達し、2023年には9件、2024年には21件が記録されている。フランスには国立美術館として指定されている施設が1200か所ある。