【10月18日 AFP】ナイジェリア北西部カドゥナ州で16日、金をめぐって「盗賊団(バンディッツ)」と呼ばれる武装犯罪組織と違法採掘者らが衝突し、少なくとも17人が死亡した。国連向けに作成され、AFPが17日に確認した安全保障報告書で明らかになった。

ナイジェリアの北西部と中部は長年にわたり、盗賊団の恐怖にさらされている。

盗賊団は、ザムファラ州、カツィナ州、カドゥナ州、ソコト州、ケビ州、ナイジャ州にまたがる広大な森に根城を構えている、そこから出撃しては近隣の村を襲い、家畜泥棒、身代金目的の拉致、殺害、略奪、家屋への放火などを繰り返している。

報告書によると、現場はビルニングワリ地区の違法採掘場。まず盗賊団のリーダーが「違法採掘者に銃を突きつけて金を奪い取った」。

これに対し違法採掘者らは力を合わせてリーダーを殺害した。盗賊団は報復として仲間を集めて違法採掘場を襲撃し、「違法採掘者7人を射殺」した。

同日その後、盗賊団は近くのレインダナウタ村を襲撃し、9人を殺害、13人を負傷させ、住民数人を拉致、家財を破壊した。

鉱物資源が豊富で農業も盛んなビルニングワリ地区は、昨年11月にカドゥナ州政府の仲介で盗賊団と和平協定を結んで以来、盗賊団による襲撃が激減していた。

2021年以降、ビルニングワリ地区には盗賊とイスラム過激派組織「アンサール」構成員の流入が急増している。アンサールは盗賊団と緊密な同盟を結び、同地区の大部分を支配下に置き、シャリア(イスラム法)を厳格に解釈して施行している。

アンサールは2012年にイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」から分派して設立され、国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織(AQIM)」と提携した。

住民のムハンマド・カビールさんはAFPに対し、今回の衝突により、一時の平和が訪れていたビルニングワリ地区でが再び襲撃が増加するのではないかとの懸念から、地元ではパニックが起きていると語った。

「和平協定を締結して以来、おおむね平和を享受してきたが、今回の衝突はそれを危うくする恐れがある」とカビールさんは述べた。

盗賊団は主義主張を持たず金目当てで行動しているが、北東部で武装蜂起したイスラム過激派と協力関係を深めていることから、当局や安全保障アナリストは懸念している。

安全保障報告書によると、和平合意の締結以来、身代金や農村に課したみかじめ料による収入が激減したため、盗賊団は違法採掘場へのみかじめ料に頼らざるを得なくなった。

報告書は、今回の衝突が治安の「悪化」につながる可能性があり、さらなる衝突が起きる可能性も高いと警告している。(c)AFP