【10月18日 AFP】米アリゾナ州フェニックスの一家4人を殺害した罪で死刑判決を受けた男が17日、薬物注射による死刑を執行された。米国での死刑執行は今週4件目。

アリゾナ州矯正局の広報担当者によると、リチャード・ジェルフ死刑囚(55)は、フローレンス町の州立刑務所で午前10時40分(日本時間18日午前2時40分)に死亡が確認された。最後の言葉はなかった。

ジェルフ死刑囚は1993年、同僚に物を盗まれたと主張し、同僚とその家族4人を殺害。その罪で死刑判決を言い渡された。

先月、犯行について謝罪する手紙の中で、ジェルフ死刑囚は死ぬ覚悟ができており、恩赦を求めるつもりはないと述べていた。

「私を助命する理由を私自身が見つけられないのであれば、他の誰にその理由を見つけられるというのか」とつづっていた。

米国では14日にフロリダ州とミズーリ州で殺人罪で死刑判決を受けた2人の刑が執行され、15日にはミシシッピ州でレイプと殺人の罪で死刑判決を受けた男の刑が執行された。

米国では今年これまでに39件の死刑が執行され、同じく39件を執行した2013年に並び最多となった。

執行件数が最も多いのはフロリダ州で14件。次いでテキサス州が5件、サウスカロライナ州とアラバマ州がそれぞれ4件となっている。

今年執行された死刑のうち、33件は薬物注射、2件は銃殺、4件は窒素吸入(窒素ガスをフェースマスクに注入して死刑囚を窒息死させる方法)により執行された。

窒素吸入による死刑執行は、国連の専門家によって残虐かつ非人道的だと非難されている。

死刑は全米50州のうち23州で廃止、カリフォルニア、オレゴン、ペンシルベニアの3州では執行が一時停止されている。

ドナルド・トランプ大統領は死刑を支持しており、就任初日に「特に凶悪な犯罪」に対する死刑適用の拡大を求めた。(c)AFP