「目には目を」殺人犯に同害報復刑、被害者遺族が公開執行 アフガン
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【10月17日 AFP】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権の当局は16日、夫婦を射殺し殺人罪2件で「同害報復刑(被害者に加えた傷害と同じものを受ける。今回は被害者を射殺したので銃殺刑に処される)」を言い渡された男を公開処刑した。最高裁判所が明らかにした。
男は西部バドギス州の州都カラエナウの競技場で、見物人の前で公開処刑された。
AFPの集計によると、タリバンが2021年に政権復帰して以来、11件目の公開処刑となった。
男は男性とその妊娠約8か月の妻の2人を射殺し、「同害報復刑」を言い渡された。
目撃者が現地を取材するAFP記者に語ったところによると、男は数千人の見物人の前で、被害者の遺族に銃で3発撃たれた。
バドギス州のマティウラ・ムッタキ情報部長によると、処刑は三審制の裁判と、タリバンの最高指導者ハイバトゥラ・アクンザダ師の最終承認を経て行われたという。
最高裁は声明で、「被害者の遺族は、提示された恩赦を拒否した」と記している。
見物人の一人、ジュマ・カーンさん(36)は、「イスラム法に基づく権利を行使した被害者の遺族を含め、多くの人が処刑を見物に来た」と述べた。
15日には、アフガン国民に処刑への来場を呼び掛ける公式通知が広く配布された。
公開処刑は、1996年から2001年までの第1次タリバン政権時代に一般的に行われ、ほとんどは競技場で執行された。
タリバン当局は今も、窃盗、姦通(配偶者のいる者が配偶者以外の者と性的関係を持つこと)、飲酒などの犯罪に対して、主にむち打ちなどの体罰を適用している。
国連やアムネスティ・インターナショナルなどの人権団体は、タリバン政権による体罰や死刑の執行を非難している。
アムネスティは4月に公表した年次報告書の中で、アフガンは「国際的に公正な裁判の基準を満たしていない」裁判で死刑判決を言い渡される国の一つだと述べている。(c)AFP