乳児用ミルク搬入も阻止 オーストラリア人医師がガザの恐怖語る
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【10月6日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区での任務を終えたオーストラリア人医師2人が4日、現地の悲惨な状況はまるで「食肉処理場」のようだったとAFPに語った。医師らは、イスラエル軍の絶え間ない爆撃によって無残に命を落とす子どもたちや、死者・負傷者であふれる病院の状況を説明した。
麻酔科医のサヤ・アジズ氏は、ガザの破壊の映像が世界中のメディアにあふれているものの、現地の実態を完全には伝えきれていないと述べた。
「映像では伝わらないもの…匂い、泣き叫ぶ声、親が子どもたちの死を目の当たりにし、痛みに苦しむ姿だ」と語り、「ガザで目にするのは『大量死』の連続だ」と指摘した。
「ばらばらになった体、血、砕けた頭、折れた腕、切断された手足――ただ切断されたのではなく、『崩壊』している状態」とアジズ氏は言い、「こんな光景は人生で二度と見ることはない。血が至るところに…まるで食肉処理場のようだった」とその惨状を振り返った。
アジズ氏と同僚のナダ・アブ・アルルブ医師(パレスチナ系オーストラリア人)は、4週間のガザ派遣任務を終え、5日朝にガザを離れた。
過去2年間の攻撃でガザ地区への損害は甚大で、地区内の全域が壊滅し、かつて人々が住んでいた場所には大量の瓦礫が積み重なっている。
住宅、病院、学校、水や衛生システムはイスラエルの攻撃で深刻な被害を受け、200万人以上が暮らす地域の人道状況は極めて厳しいものとなっている。
住む家を失ったガザの人々は、避難所や仮設キャンプ、さらには屋外に押し寄せ、基本的な保護すら十分に得られていない。
ハマスが運営するガザの保健省によると、2023年10月7日にハマスがイスラエルに攻撃を仕掛けた後、イスラエルが軍事作戦を開始して以来、少なくとも6万7139人が死亡しており、そのほとんどが民間人だという。国連はこの数字を信頼できるものとみている。
一方、同日のハマスによるイスラエルへの越境攻撃では1219人が死亡、その多くは民間人だった。これはイスラエルの公式集計を基にAFPがまとめた。