【10月3日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長は2日、パレスチナ紛争をめぐってイスラエルへの資格停止処分を求める圧力が強まる中、「サッカーは地政学的な問題を解決できない」と述べた。

FIFAは声明で、インファンティーノ氏が理事会で特にガザの現状を踏まえ、平和と団結の促進の重要性を強調したと発表した。

インファンティーノ氏は「FIFAでは、分断された世界において人々を結びつける力としてサッカーを活用することに尽力しています。今日、世界各地の紛争で苦しむ人々に思いを寄せており、サッカーが今伝えられる最も重要なメッセージは、平和と団結のメッセージです」と語った。

さらに、「FIFAは地政学的な問題を解決することはできないが、サッカーの統合的・教育的・文化的・人道的価値を生かして、世界中でサッカーを推進することは可能であり、推進すべきだ」と付け加えた。

インファンティーノ氏はその後、スイス・チューリヒにあるFIFA本部でパレスチナサッカー協会(PFA)のジブリール・ラジューブ会長と会談した。ラジューブ氏はこの前日に、国際オリンピック委員会(IOC)のカースティ・コベントリー会長とも面会している。

2026年のW杯北中米大会の予選が進行する中、イスラエル代表を国際大会から除外するよう求める声が高まっているにもかかわらず、FIFAの声明やインファンティーノ氏のSNS投稿では、イスラエルや同国サッカー協会については言及されていない。

2022年のウクライナ侵攻でFIFAは、侵攻開始直後にロシアを資格停止処分としていた。

ノルウェーサッカー協会(NFF)のリーゼ・クラブネス会長は先週、イスラエルの資格停止を求め、「個人的には、ロシアが除外されたなら、イスラエルも除外されるべきだと思う。あくまで私個人の意見」と述べている。

W杯欧州予選で、ノルウェーはイスラエルと同じグループIに入っており、11日には直接対決を控えている。(c)AFP