イスラエルのパリ五輪出場は「二重基準」 パレスチナがIOC批判
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【7月26 AFP】パレスチナオリンピック委員会(POC)のジブリール・ラジューブ(Jibril Rajoub)会長は25日、イスラエル選手団のパリ五輪出場を認めたのは、国際オリンピック委員会(IOC)によるダブルスタンダード(二重基準)だと批判した。
ラジューブ会長は先日、IOCに対してイスラエル選手団の排除を求める書簡を送っていたが、IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長に却下された。
この日選手団とともに仏パリ北部のシャルル・ドゴール空港(Charles de Gaulle Airport)に到着し、パレスチナ名産のデーツ(ナツメヤシの実)を持った数百人の人々と「パレスチナに自由を!」との大合唱で迎えられた際には、「五輪憲章をはじめ、法律、規則、道徳に忠実でなく、二重基準の適用を主張する国際機関が存在するということが明確になった」と指摘した。
さらには、現在続いているイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)への攻撃は「ジェノサイド(集団殺害)、民族浄化の犯罪」であるとし、「イスラエルあるいはイスラエルオリンピック委員会(OCI)は、(五輪に)参加するための道徳的、競技的、人道的、そして法的権利を失った」と述べた。
IOCはこれまで、イスラエルが五輪憲章に違反しているとの声を否定し、イスラエルとパレスチナの五輪委員会の関係を強調していた。バッハ会長も23日にパリで、「両国の国内オリンピック委員会(NOC)は、政治の世界とは一線を画している。両者は平和的に共存している」と述べた。
イスラエルの選手団88人は今週パリに到着しており、サッカー男子代表チームは24日のマリ戦を1-1で引き分けた。会場のパルク・デ・プランス(Parc des Princes Stadium)では、イスラエル国歌が流れた際に口笛が吹かれたほか、一部の観客がパレスチナ国旗を振ってイスラエルのファンと衝突するトラブルが起きた。(c)AFP/Joseph ABI CHAHINE / Maryam EL HAMOUCHI
