英首相、トランプ氏の「ロンドン市長が同市にイスラム法導入」発言を一蹴
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【9月26日 AFP】英国のキア・スターマー首相は25日、ドナルド・トランプ米大統領がロンドンのサディク・カーン市長について、同市にシャリア(イスラム法)を導入したがっていると主張したことについて、「ナンセンス」だと一蹴した。
トランプ氏は23日、ニューヨークで開催された国連総会での演説で、「ロンドンを見れば、ひどい市長がいる。とんでもなくひどい市長だ。ロンドンは変わってしまった、変わり果ててしまった」と主張。
「今やシャリアを導入したがっている。しかし、あなたは(イスラム教国ではない)異国にいるのだから、そんなことはできない」と付け加えた。
スターマー氏はロンドンで記者団に対し、今月の国賓訪問が無事成功したにもかかわらず、トランプ氏とは意見の相違が「いくつかある」と語った。
「これもその一つだ。シャリア導入などという発想はナンセンスだ。サディク・カーン氏は非常に立派な人物で、実際に重大犯罪の減少に寄与している」「先週の国賓訪問は良いものだったが、この点については同意できない。シャリアに関する発言はばかげている」と述べた。
スターマー氏率いる中道左派・労働党に所属するカーン氏は、長年にわたってトランプ氏と非難の応酬を繰り広げている。
2016年からロンドン市長を務めているイスラム教徒のカーン氏は同年、一部のイスラム教国からの入国禁止を提案したトランプ氏(当時大統領候補)を批判した。
2019年のトランプ氏による初の英国国賓訪問に先立ち、カーン氏はトランプ氏を「1930年代と40年代の欧州の独裁者たち(ドイツのアドルフ・ヒトラーやイタリアのベニト・ムソリーニら)」になぞらえた。
トランプ氏の「シャリア導入」発言を受けカーン氏は、「トランプ大統領はレイシスト(人種差別主義者)で、セクシスト(性差別主義者)で、ミソジニー(女性蔑視)で、イスラモフォビック(イスラム教嫌い)であることを示したと思う」と述べた。(c)AFP