■「二級市民」

現在の東ドイツ人は「二級市民」のように感じていると、ドレスデン工科大学のハンス・フォルレンダー教授(政治学)は述べた。

メルツ氏は5月初旬の首相就任以来、首都ベルリン以外の旧東ドイツ地域を2回しか訪問していない。

いずれも軍事施設への訪問で、訪問先はそれぞれ、メクレンブルク・フォアポンメルン州の港湾都市ロストクと、ベルリンを取り囲むブランデンブルク州だった。

頭部ケムニッツ選出の保守派、ノラ・ザイツ議員はAFPに対し、「メルツ氏は何度も外遊した後、(西部)ノルトライン・ウェストファーレン州を訪れた。今度は(東部の)ザクセン州、ブランデンブルク州、あるいはテューリンゲン州にも来てもらえたらうれしい」と語った。

メルツ氏は25日、テューリンゲン州ワイマール市で開催される東部州首相との会合に出席する。

ザイツ議員は、「東部にはさらに発展する潜在力があるにもかかわらず、期待を裏切られ失望している。信頼回復が大きな課題となるだろう」と述べた。

ベルリンの壁崩壊を求めて街頭に繰り出した人々の多くは、その後の現実とは「全く違う未来を想像していた」とザイツ議員。

「東部でAfDに投票した人の大多数は、政治に失望させられた人々だというのが私の見解だ」と続けた。

フォルレンダー教授によると、多くの人がメルツ氏を「典型的なヴェッシ(西野郎)」と見ているという。ヴェッシとは、東部で西部出身者を指す、やや軽蔑的な呼び方だ。