【9月25日 AFP】韓国の統一部長官は25日、北朝鮮は最大2トンの高濃縮ウランを保有していると述べた。

韓国国防省によると、北朝鮮が保有する高濃縮ウランが「かなりの量」に上っていることは以前から知られていた。高濃縮ウランは核弾頭の製造に必要な主要な材料だ。

鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官は記者団に対し、「情報機関は平壌の高濃縮ウランの備蓄量を、純度90%以上で最大2000キロと推定している」と述べた上で、「この瞬間にも北朝鮮のウラン遠心分離機は4か所で稼働している」と語った。ウラン保有量の数値に言及することはまれだ。

また「核爆弾1発を作るのに必要なプルトニウムは5~6キロにすぎない」としたうえで、プルトニウム生産のみに使われると仮定した場合、2000キロの高濃縮ウランは「膨大な数の核兵器を作るのに十分だ」と付け加えた。

鄭氏は「北朝鮮の核開発を止めることは緊急の課題だ」と述べ、制裁は効果がなく、唯一の解決策は米朝首脳会談にあると主張した。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は今週、核兵器の放棄を条件としない限り、米国との対話に応じる意向を示した。

2006年に初めて核実験を行って以来、禁止された兵器開発計画のため一連の国連制裁を受けてきた北朝鮮は、昨年9月までウラン濃縮施設の詳細を公にしたことはなかった。

韓国の情報機関によると、北朝鮮は複数のウラン濃縮施設を運営しているとされ、その中には2021年に再稼働した寧辺(ヨンビョン)核施設も含まれている。(c)AFP