【9月25日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領が国連で英ロンドンのサディク・カーン市長について、同市にシャリア(イスラム法)を導入したがっていると主張したのを受け、カーン氏は24日、トランプ氏を「イスラム教嫌い」で「人種差別主義者」だと非難した。

中道左派・労働党に所属するカーン氏は長年にわたってトランプ氏と非難の応酬を繰り広げている。

カーン市長はスカイニューズに対し、「トランプ大統領はレイシスト(人種差別主義者)で、セクシスト(性差別主義者)で、ミソジニー(女性蔑視)で、イスラモフォビック(イスラム教嫌い)であることを示したと思う」と述べた。

これに先立ちトランプ氏は23日、ニューヨークで開催された国連総会での演説で、「ロンドンを見れば、ひどい市長がいる。とんでもなくひどい市長だ。ロンドンは変わってしまった、変わり果ててしまった」と主張。

「今やシャリアを導入したがっている。しかし、あなたは(イスラム教国ではない)異国にいるのだから、そんなことはできない」と付け加えた。

パット・マクファデン・ランカスター公領担当相は24日、トランプ氏はロンドンを「誤解」していると述べた。

イスラム教徒のカーン氏は2016年からロンドン市長を務めている。同年、当時大統領候補だったトランプ氏が一部のイスラム教国からの入国禁止を提案したことで、カーン氏がトランプ氏を批判した。

2019年のトランプ氏による初の英国国賓訪問に先立ち、カーン氏はトランプ氏を「1930年代と40年代の欧州の独裁者たち(ドイツのアドルフ・ヒトラーやイタリアのベニト・ムソリーニら)」になぞらえた。

トランプ氏はカーン氏を「哀れな負け犬」と呼び、IQ(知能指数)テストを要求したこともある。

カーン氏は24日、ITVロンドンに対し、「ドナルド・トランプの頭の中で過ごした時間に対して、私は不法占拠者としての権利を持っていると思う」「トランプ氏がそこで過ごした時間分の請求書を送ってこないことを願うばかりだ」と述べた。(c)AFP