【9月24日 AFP】イタリア人俳優のクラウディア・カルディナーレさんが22日、死去した。87歳だった。1960年代のイタリア映画界で活躍し、『山猫』や『8 1/2』などへの出演で世界を魅了した。

代理人によると、カルディナーレさんは仏パリ郊外のネムールで子どもたちに見守られながら亡くなった。「彼女は女性として、そして芸術家として自由でインスピレーションに満ちた女性の遺産を私たちに残してくれた」と述べた。埋葬の日程や場所はまだ決まっていないという。

アレッサンドロ・ジュリ文化相は、カルディナーレさんを「史上最高のイタリア俳優の一人」と称え、「イタリアの優雅さ」を体現していたとコメントした。

当初、映画出演を望んでいなかったカルディナーレさんだが、秘密裏に出産した息子を育てるために俳優業に励むことを決めた。16歳で美人コンテストに優勝し、ベネチア国際映画祭に招待されたことがキャリアをスタートさせるきっかけとなった。

イタリア映画の黄金時代には、ルキノ・ヴィスコンティ監督の『山猫』やフェデリコ・フェリーニ監督の『8 1/2』に出演。批評家からは「戦後欧州の魅力の体現」と称賛された。

ハリウッドでも活躍し、出演作の『ピンク・パンサー』や『サーカス・ワールド』は大ヒットとなった。『ピンク・パンサー』で共演したデヴィッド・ニーヴンから言われた「クラウディア、スパゲッティと並んで、君はイタリアの最高の発明品だ」という言葉が、最高の褒め言葉だったと回想している。

キャリアを通じて175本の映画に出演し、ベネチアとベルリンの映画祭で名誉賞を受賞している。(c)AFP