■アブジャからカノへ

ナイトクラブ側にもメリットがある。フォロワー数の多いインフルエンサーを含む大勢がソーシャルメディアにセルフィーを投稿することで、無料の宣伝効果が得られるからだ。

そうしたインフルエンサーの一人、インスタグラムで10万人のフォロワーを持つコミ―バービーさんは、流行の場所に着いたらまずすることは、「友達と一緒に急いでトイレに行ってセルフィーを撮ること」だと述べている。

スマートフォン時代において、トイレの鏡を使ったセルフィーはもはや定番のトレンドと言えるかもしれない。

だが、人口2000万人以上が暮らすにぎやかな大都市ラゴスは、それを過度の斬新さへと昇華させる方法を見つけた。首都として機能し、仕事ばかりで遊びがない計画都市アブジャのような静かな場所も同様だ。

高級住宅街マイタマにある「ア・バー・コールド・ペーパー」の女性用トイレのすぐそばにある「セルフィ​​ールーム」は、サイケデリックな模様の壁で飾られている。

「私が最も重視しているのは、適切な角度だ」とスパンコールをちりばめたホルターネックドレスを着たステファニーさん(26)は言った。

このトレンドは、イスラム教徒が多く、保守的な北部の文化と経済の中心地、カノにまで広がっている。

現地の若者に人気のラウンジ「アンティカ」では、女性客のドレスはゆったりとしていて露出度が低く、袖は長め、メークも控えめだ。

だがトイレには、パーティー好きな南部との多くの共通点がある。トロピカルな壁紙を背景に、丁寧に並べられた鏡に映る自分の姿と戯れながら、何時間も過ごしている。