■受賞する可能性は低い?

ノルウェー・ノーベル委員会の委員5人はノルウェー国会によって指名されるが、委員会は党派政治や現政権とは独立して決定すると主張している。

好例なのが、ノルウェー政府の控えめな警告を無視して2010年のノーベル平和賞を中国の反体制作家、劉暁波氏に授与したことだ。これを受け、ノルウェーと中国の外交関係は長きにわたり冷え込んだ。

ベルグ・ハルプビーケン氏は、「ノーベル委員会は完全に独立して活動しており、個々の候補者について議論する際に、こうした事情を考慮することはできない」と述べた。

ノルウェーは、ノーベル賞の創設者であるアルフレッド・ノーベルが生涯にわたって擁護した多国間主義を固く信じているが、トランプ氏の「米国第一(アメリカファースト)」政策によってその理念は覆されている。そのため専門家たちは、トランプ氏がノーベル平和賞を受賞する可能性は低いと見ている。

ノルウェー国際問題研究所(NUPI)のリサーチディレクター、ハルバルド・レイラ氏は、「こうした圧力は通常、逆効果になる」「もし委員会が今、トランプ氏にノーベル平和賞を授与すれば、当然のことながら、こびへつらっていると非難され、委員会が主張する独立性も地に落ちることになるだろう」と述べた。

8月には、ノーベル賞を受賞した歴史家3人がさらに踏み込み、トランプ氏が受賞すべきでない理由を列挙した。その中には、ウクライナに侵攻しているロシアのウラジーミル・プーチン大統領を称賛したことも含まれていた。

歴史家3人は論説記事で、「ノルウェー・ノーベル委員会のメンバーが正気を失いでもしない限り、トランプ氏がノーベル平和賞を受賞することはないだろう」と述べた。(c)AFP