【9月14日 東方新報】夏休みシーズンの広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)では、ACG(アニメ、漫画、ゲーム)の二次元文化と消費が融合し、熱気に包まれている。市内の展示会場エリアから主要な商業エリアまで、さまざまなスタイルの若いコスプレイヤーが姿を見せ、二次元文化の強い魅力が展示会・見本市による経済効果と消費を結びつけている。

広州市商務局によると、今年上半期、広州の主要会場では大型ACGイベントが11回開催され、展示面積は計52万平方メートル、来場者数は国内外合わせて延べ84万人に達した。チケット販売を通じて観光・商業・文化が一体となった消費を促し、市内の商業エリアには、二次元文化をテーマにした人気スポットが次々と誕生している。

華南地方で夏休み最大規模の二次元イベント「第36回ホタルアニメゲームカーニバル広州会場(Firefly ACG EXPO 36th)」が保利世貿博覧館で閉幕した。初回のチケット販売では150万人がオンライン購入を申し込み、そのうち28万8000人が会場を訪れた。さらに8月9日から10日にかけて広交会展館で開催された中国ゲーム開発企業のKURO GAMES初のエキスポ「KUROFEST」では、1万人以上が参加し、その半数近くが省外から訪れた。これは同ブランドのオフラインイベントとして過去最多を記録した。

KURO GAMESの担当者は、「広州での開催は、この都市の持つ独自の強みに注目したからだ」と説明する。広州は粤港澳大湾区(広東・香港・マカオグレーターベイエリア、Guangdong-Hong Kong-Macau Greater Bay Area)のデジタル経済の中心都市で、会場設備や運営体制が整っているほか、寛容で開放的な文化風土や若い消費層といった強みがある。会場では市政府が約5万枚の専用消費クーポンを配布し、二次元ファンの消費意欲をさらに引き出した。

大型ACGイベントの影響で、この夏の広州は特ににぎわっている。商業エリアでは二次元イベントが次々と開催され、広州の二次元文化に特化した情報発信プラットフォーム「広州漫展前線ACGonline」によると、今年1月から7月までに広州で開かれたアニメ関連イベントは約130回に及ぶ。イベント会場が人を呼び込み、周辺の商業施設と連動することで、「展示と店舗が一体化」した消費の流れが生まれている。

「中国二次元コンテンツ産業白書」によれば、2024年の中国における広義の二次元ユーザーは5億300万人に達し、そのうちZ世代(1995~2010年生まれ)の年間アニメ・関連グッズへの平均支出は3000元(約6万1326円)を超える。3億人以上のユーザーが市場規模を約1兆元(約20兆4423億円)規模に押し上げる可能性がある。

近年、広州市政府は長年培ってきたアニメ産業の基盤と活発なビジネス環境を活かし、関連産業への支援策を打ち出してきた。広州市ゲーム業界協会の「2024年広州ゲーム産業発展報告」によると、2024年の広州ゲーム産業の総収入は約1406億6700万元(約2兆8755億円)で、前年比10.5%増加し、全国の市場シェアの43.17%を占めた。

広州市商務局は、今後も著名なACG関連IP(知的財産権)を積極的に誘致し、展示会の波及効果を拡大させ、ACG産業と会展、都市消費の深い融合を促進するとしている。(c)東方新報/AFPBB News