犬でも投票できる米カリフォルニア州選挙、実践した女を起訴
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【9月10日 AFP】飼い犬を不正に有権者登録したとして不正投票などの罪で起訴された米国人の女が9日、出廷した。有罪になれば、拘禁6年を科される可能性がある。
ロサンゼルスの南にあるコスタメサ在住のローラ・ユーレックス被告(62)は2021年カリフォルニア州知事選の後、愛犬のマヤ・ジーンが「投票済み」ステッカーを身に着けている写真をソーシャルメディアに投稿。
2024年10月には、マヤのドッグタグと郵便投票用紙の写真を投稿し、マヤは既に死んでいたにもかかわらず、「まだ投票用紙が届いている」というキャプションを添えた。
ユーレックス被告は昨年、不正投票をしたとして当局に自首した。
地方検事による捜査の結果、ユーレックス被告は偽証、偽造文書の入手または提供、投票権のない投票、実在しない人物の有権者登録など、複数の重罪で起訴された。
9日の短時間の公判の後、弁護人は、ユーレックス被告が「投票システムの欠陥」を指摘しようとしたと主張。
「ローラ・ユーレックス氏は、犬でも有権者登録できることを実証することで州の投票システムの欠陥を暴こうとした愚かな試みを心から後悔している」として、被告の意図は「調査させ、最終的に有権者登録制度を改善すること」だったと述べた。
カリフォルニア州の選挙法では、偽証罪の罰則を承知で署名した宣誓供述書を提出すれば、市民は有権者登録をすることができる。宣誓供述書には、氏名、住所、郵送先住所、生年月日、支持政党が記載される。
オレンジ郡地方検事局は声明で、「州選挙の有権者登録や投票において、住民が居住証明書や身分証明書を提示する必要はない」と説明。
だが、連邦選挙で初めて投票する人には、居住証明書の提示などが必要となり、「その結果、マヤ・ジーンの名前で投じられた2022年予備選挙の投票は異議申し立てを受け、却下された」と述べた。
米国の有権者名簿のセキュリティーはここ数十年で大きな問題となっており、共和党の一部は名簿には外国人や死者が含まれていると繰り返し非難していたが証拠は示していなかった。(c)AFP