【9月7日 AFP】イスラエル軍は6日、前日に続いてパレスチナ自治区ガザ地区の最大都市ガザ市の高層ビルを空爆で破壊した。これに先立ち、同軍は住民に「人道地区」への避難を促していた。

軍は、イスラム組織ハマスが「イスラエル軍の監視」に利用していたと主張するガザ市の高層ビルを攻撃したと発表。「民間人への被害を軽減する措置を講じた」とも述べている。

目撃者によると破壊されたのはスッシ・タワーで、イスラエル・カッツ国防相は約15階建ての建物が煙と粉じんに包まれて崩れ落ちる映像を公開した。

ハマス側は、住宅や民間施設を軍事目的で使用しているとのイスラエルの主張を否定し、攻撃を非難している。

民間防衛機関のマフムード・バッサル報道官は、イスラエルの攻撃によりこの日55人のパレスチナ人が死亡したとAFPに明かした。そのうち18人は北部の配給拠点で亡くなったとされている。

イスラエルは数週間にわたりガザ市への新たな攻撃を予告してきたが、具体的な時期は明示されていない。空爆および地上作戦は市周辺部で激しくなっており、すでに深刻な状況がさらに悪化するのではないかと懸念が広がっている。

イスラエル軍報道官のアビチャイ・アドレー氏は、この攻撃を前に地中海沿岸マワシにある「人道地区」への避難を呼びかけていた。

しかしガザ市の住民たちは、避難しても残っても状況は変わらないと感じている。

アブデル・ナセル・ムシュタハさん(48)は、「避難すべきだという人もいれば、残るべきだという人もいる」「しかし、ガザのどこにいても爆撃と死がある」と語った。

娘のサミアさん(20)も、「もはや私たちにとって違いはありません」「どこへ行こうと、爆撃か飢えで死が私たちを追いかけてくるのです」と述べた。(c)AFP