イスラエル軍、ガザ市の高層ビルを破壊
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【9月6日 AFP】イスラエル軍は5日、パレスチナ自治区ガザ地区の最大都市ガザ市の制圧に先立ち、イスラム組織ハマスが利用していると判明した高層ビルを攻撃対象とすると発表した直後、高層ビル1棟を破壊した。
イスラエル軍は5日の声明で、「ガザ市のさまざまなインフラ施設、特に高層ビルにおいて、ハマスによる重大なテロ活動を確認した」として、「近日中に」これらの施設を攻撃対象とする方針を示した。
それから1時間もたたないうちに、イスラエル軍はハマスが「前哨基地」として使用していた高層ビル1棟を攻撃したと発表した。
AFPの映像には、ガザ市のリマル地区にあるムシュタハ・タワーの基部で大規模な爆発が発生し、煙とちりを上げながら崩れ落ちる場面が映っている。
攻撃後にAFPが撮影した写真には、パレスチナ人が崩壊したがれきや残骸を調査する様子が写っている。
イスラエル軍は、攻撃前に事前警告を含む「民間人への被害を抑えるための予防措置が講じられた」と述べた。
ガザ市南西部のテントで暮らすパレスチナ人避難民、アレジュ・アハメドさん(50)はAFPの電話取材に応じ、「ムシュタハ・タワーの住民たちが上階から家財を投げ出し、攻撃前に逃げようとしているのを夫が見た」「避難命令が出てから30分もたたないうちに、タワーは爆撃された」と語った。
ガザ市西部にある半壊した5階建てアパートの親戚の部屋に身を寄せているアハメド・アブ・ウトファさん(45)は「イスラエルが高層ビルやアパートへの爆撃を開始したというニュースは恐ろしい」「子どもたちも私もおびえている。安全な場所などない。早く死が来ることを願うばかりだ」と語った。
イスラエル・カッツ国防相は「ガザで地獄の門の閂(かんぬき)が外された」と述べ、ハマスがイスラエルの停戦条件を受け入れるまで軍事作戦を強化すると表明した。(c)AFP