【9月4日 AFP】少女らへの性的人身取引の罪で起訴され勾留中に自殺した富豪ジェフリー・エプスタイン元被告の被害者たちは3日、未成年の少女を虐待したエプスタイン元被告の仲間たちをまとめた独自の「顧客リスト」を作成中だと発表した。

かつて故エプスタイン元被告の友人だったドナルド・トランプ大統領は、事件をめぐる政治的な動揺の鎮静化を図った。

トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、「民主党による終わりのないでっち上げだ」と主張。エプスタイン事件を使用して政権の実績から国民の関心をそらそうとしていると訴えた。

トランプ氏の発言に先立ち、エプスタイン元被告の被害女性8人が連邦議会議事堂で感情に訴える記者会見を開いた。被害者の中には、自分が受けた性的虐待について初めて公にした人や、エプスタイン元被告に紹介された当時、14歳だった人もいた。

エプスタイン事件の連邦起訴状に「未成年被害者1」と記されているマリーナ・ラセルダさんは、「私たちはまだ子どもだった」と語った。

ラセルダさんはニューヨークにあるエプスタイン元被告の邸宅で「高齢の男性」にマッサージをし、300ドル(現在のレートで約4万4500円)の報酬を受け取ったという。

ラセルダさん「夢の仕事が最悪の悪夢へと変わった」と述べた。

被害女性8人は、司法省に対しエプスタイン事件の捜査ファイルすべてを公開するよう求めるとともに、議会に対しファイルの公開を義務付ける法案を可決するよう強く求めた。

16歳の時に勧誘され、エプスタイン元被告に対するマッサージをさせられたヘイリー・ロブソンさんは「でっち上げではない。虐待は実際にあった」と主張。

「彼に逆らったら、悪いことが起こると分かっていた」と語った。

エプスタイン元被告は2019年、少女らへの性的人身取引の罪で起訴され勾留中、ニューヨークの拘置所で死亡した。

トランプ氏支持者の多くは長年エプスタイン事件に執着しており、「ディープステート」のエリートたちが民主党とハリウッドに巣食うエプスタイン元被告の仲間たちを守っていると揺るぎなく信じている。

連邦捜査局(FBI)と司法省が7月、エプスタイン元被告は自殺で、著名人を脅迫しておらず、「顧客リスト」も保持していないと発表したことで、トランプ氏支持者の多くはさらに憤慨した。

被害女性8人の一人、リサ・フィリップスさんは、他の被害女性たちと協力して独自にエプスタイン元被告の顧客リストを作成中だと述べた。

「私たちは(エプスタイン元被告の仲間の)名前を知っている。私たちの多くは彼らから虐待を受けた」「私たちの誰もが知っているエプスタイン元被告の世界に入り浸っていた人物の名前を内々にまとめる」と続けた。

フィリップスさんは、「私たちは同情を求めているのではない。責任を問うている」と訴えた。