【8月31日 AFP】仏南東部リヨンの市当局者は30日、市内のホロコースト記念碑に「フリーガザ」と落書きがされたとAFPに明らかにした。フランスでは近年、反ユダヤ主義的憎悪犯罪の増加への懸念が高まっている。

市当局者から提示された写真には、記念碑の黒い大理石のプレートに鋭利な道具のようなもので刻まれたとみられる落書きが写っていた。

リヨン市長のグレゴリー・ドゥセ氏はAFPに送った声明で、「リヨンのホロコースト記念碑の破壊行為は容認できない。これを非難するとともに、記憶協会、生存者、その子孫たちに連帯の意を表する」と述べた。

またドゥセ氏は「実行犯は追跡され、起訴される。リヨンは憎悪、反ユダヤ主義、人種差別に断固として立ち向かう」と付け加えた。

リヨン中心部にあるこの記念碑は、アウシュビッツ・ビルケナウ収容所の解放80周年を記念して2025年1月に公開された。

市職員はAFPに対し、「この落書きがホロコースト記念碑に刻まれたことは、明らかに反ユダヤ主義的行為に当たる」と述べた。また、落書きが迅速に除去され、修復されたとも説明した。

フランスでは2023年10月、ハマスによるイスラエル攻撃に続き、イスラエルのガザ空爆・封鎖を背景に反ユダヤ主義的憎悪犯罪の増加への懸念が高まっている。

内務省によると、2025年上半期には国内で646件の反ユダヤ主義的行為が記録され、前年同期比で27%減少したものの、2023年同時期比では112%増となった。(c)AFP