■「右翼の扇動者」

自己決定法の施行前、法的な性別の変更を希望するドイツ人は、専門医2人以上の診断書を提出し、裁判所の決定を待たなければならなかった。

保守系のフリードリヒ・メルツ首相率いる新連立政権は、自己決定法の見直しを約束している。

カリン・プリーン家庭・高齢者・女性・青少年相は自己決定法について、「標的を絞った虐待を助長する可能性のある欠陥が含まれている」「実際にどのように機能するかを注視する必要がある」と述べた。

LGBTQ活動家たちは、自己決定法の廃止はさらなる差別につながると主張している。

LGBTQの人権団体クィア・ネーションズは、「トランスジェンダーの人々にとって、過去15年間にトランスジェンダー活動が成し遂げてきた成果の一部が覆されるリスクがある」と述べている。

リービヒ事件において、検察のベネディクト・ベルンゼン報道官は、リービヒ受刑者をケムニッツの女性刑務所に入れる決定は「登録された性別と居住地」に基づいて成されたと説明する一方で、「すべてのケースにおいて、受刑者が入所すると個別事案審査が行われる」と付け加えた。

ドイツのクィア権利担当委員ゾフィー・コッホ氏は週刊紙ツァイトに対し、リービヒ受刑者を女性刑務所に収監する法的強制力はないと指摘し、「右翼の扇動者の策略にだまされないように」と警告した。(c)AFP