フランス、米大使呼び出しへ 反ユダヤ主義対応めぐる批判受け
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【8月25日 AFP】フランス外務省は24日、エマニュエル・マクロン大統領に宛てた書簡で政府の反ユダヤ主義への対応が不十分だと批判した米国大使を呼び出すと明らかにした。
米国のチャールズ・クシュナー駐仏大使が25日付で出した書簡は、数日前にイスラエルがフランスを非難した論調と重なるもので、フランス政府はこれに強く反発していた。
メディアにリークされた書簡には、25日が「パリ解放の81周年」に当たることが記され、クシュナー氏は「フランスにおける反ユダヤ主義の劇的な増加と、それに対処するための政府の行動の不十分さに深い懸念を抱いている」と述べた。
さらに「フランスでは、ユダヤ人が街頭で襲撃され、シナゴーグや学校が汚され、ユダヤ人所有の事業が破壊される日が一日もない」と指摘。「反ユダヤ主義は長くフランス社会を傷つけてきたが、2023年10月7日のハマスの野蛮な攻撃以来、ユダヤ人への憎悪は爆発的に広がった」と主張し、それがガザで続く戦争につながったと論じた。
書簡の内容が報じられてから数時間後、仏外務省は声明で「フランスはこれらの主張を断固として否定する」と表明。「大使の発言は受け入れられない」と強調した。
外務省はまた、1961年のウィーン条約に基づき、大使が駐在国の内政に干渉することは許されないと指摘し、クシュナー氏を25日に外務省に呼び出す予定だとした。
クシュナー氏の発言は、マクロン氏が先月にパレスチナ国家を承認すると表明した後、フランスで反ユダヤ主義が「急増」したとしたイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の主張とも一致する。ネタニヤフ氏はマクロン氏が反ユダヤ主義をあおっていると非難したが、仏大統領府はネタニヤフ氏の発言を「卑劣で誤ったもの」と直ちに反論した。(c)AFP