ロシアがウクライナの村二つを制圧、首脳会談への見通し暗く
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【8月24日 AFP】ロシアは23日、ウクライナ東部ドネツク地域の二つの村を制圧したと発表し、各国首脳が紛争終結を求める中、軍事的圧力を強めた。
ロシア軍は激戦地ドネツク地域で徐々に前進しており、キーウの重要な防衛線に向けて高い犠牲を伴う戦闘を繰り広げている。
ロシア国防省はテレグラムで、同国軍によるセレドニェ村とクレバンビク村の占領を発表。クレバンビクの占領は、ウクライナの主要物流拠点があるクラマトルスクに通じる道に位置する、要塞(ようさい)化されたコンスタンチノフカへのさらなる進撃を意味する。またロシア軍は22日にも、同地域で三つの村の占領を発表している。
一方でウクライナ軍はロシアの進軍を阻止し、同地域にあるゼレニーガイ村の奪還をテレグラムで発表した。
ドナルド・トランプ米大統領が紛争解決の一手として推進する、ロシアとウクライナの首脳会談への期待が薄れる中で、今回ロシアはさらに進軍した。
南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は23日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との電話会談に臨み、ロシアとウクライナの首脳会談を求める声に賛同した。
ラマポーザ氏の事務所は声明で、「ラマポーザ大統領は、戦争終結への確固たる責任を示すための鍵として、ロシア、ウクライナ、米国の指導者間での二国間、あるいは三国間会談開催の緊急性を強調した」と述べた。
声明では、現在20か国・地域(G20)首脳会議(サミット)の議長を務めるラマポーザ氏が、フランスのエマニュエル・マクロン大統領やフィンランドのアレクサンデル・ストゥブ大統領とも会談したと発表。ラマポーザ氏は、今後も欧州首脳との会談が予定されている。
ラマポーザ氏は18日にプーチン氏と会談。昨年10月のBRICS首脳会議では、プーチン氏を「親愛なる同盟者」「価値ある友人」と表現していた。しかしながら今年初め、南アフリカはロシアがウクライナに全面侵攻を行ったと宣言する国連(UN)決議を支持している。
ゼレンスキー氏は会談でラマポーザ氏に、プーチン氏とのいかなる形式の会談にも応じる準備があると伝えたと述べた。
またX(旧ツイッター)に「モスクワが再びすべてをさらに引き延ばそうとしているのが分かる。グローバルサウスが適切なシグナルを送り、ロシアを平和に向けて押し進めることが重要だ」と投稿した。(c)AFP
