【8月23日 AFP】米国のドナルド・トランプ大統領が和平努力に疲弊した様子を見せ、ロシアがウクライナでの長引く紛争を終わらせる努力に冷や水を浴びせたことで、ロシアとウクライナの首脳会談の可能性は薄れた。

トランプ氏は18日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が直接会談に合意したと述べて期待を高めていたが、22日には両者を「酢と油」に例えた。

トランプ氏は記者団に対し、ウクライナ和平の努力について2週間以内に「重要な」決定を下すとし、ロシアは大規模な制裁に直面する可能性があると明言したが、何もしない可能性もあると付け加えた。

「2週間後には、どちらに進むかがわかるだろう。どちらかの道に進むつもりだから、どちらに進むのかわかるだろう」「大規模な制裁か、大規模な関税か、またはその両方かどうか。あるいは何もせず、これはあなたたちの戦いだと言うかだ」

一方でロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、ゼレンスキー大統領の正当性に疑問を呈し、ロシア大統領府(クレムリン)の強硬な主張を繰り返した。

米NBCのインタビューでラブロフ氏は「会談は予定されていない」と述べた。同氏は、プーチン氏が「議題が準備され次第、ゼレンスキーと会う準備ができている」としたものの、その議題が「全く準備されていない」と付け加えた。

ゼレンスキー氏は22日、キーウを訪れた北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長とともに、「ロシアとの合意はない」と述べた。

ウクライナに対する安全の保証問題は、紛争終結に向けた和平合意を仲介するための、米国主導の外交努力の中心となっている。

キーウ市内全域で空襲警報が鳴り響く中でルッテ事務総長は、安全の保証は「ロシアがいかなる合意も守り、二度とウクライナの1平方キロメートルを奪おうとしない」ようにするために必要なことだと話した。(c)AFP