【8月22日 AFP】イランは21日、殺人犯の男の絞首刑を執行した。犯行現場で、公開処刑の形で執行した。

イランでは、ほとんどの死刑は刑務所内で執行されている。公開処刑は通常、国民の激しい怒りを呼んだ犯罪に対してのみ用いられる。

ゴレスタン州のヘイダル・アシアビ司法長官は、司法府の公式ニュースサイト「ミザン・オンライン」に対し、今回の絞首刑はコルドクイ市で夜明け前に「犯行現場で、公開処刑の形で」執行されたと語った。

ミザンによると、男は昨年末、「夫婦1組と若い女性1人を猟銃で殺害」したとして殺人罪で有罪判決を受けた。

イランでは19日にも、南部ファルス州で、強盗中に女性1人とその3人の子どもを殺害したとして有罪判決を受けた男が公開絞首刑に処された。

アムネスティ・インターナショナルなどの人権団体によると、死刑執行数は、中国に次いで世界で2番目に多い。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は先月、イランでは今年上半期に死刑執行数が急増し、少なくとも612人が処刑されたとして、同国に対し死刑執行停止を強く求めた。

これに対しイランは、死刑執行は「最も重い犯罪」に限定していると反論した。

イランで法定刑として死刑が定められているのは、殺人罪、レイプ罪、姦通(配偶者以外の者との性行為)罪、一部の薬物犯罪となっている。

また、イスラム法上の「神への敵意」の罪と「地上に堕落を広げる」罪にも死刑が規定されている。(c)AFP