米副大統領が首都動員の州兵と面会、「D.C.を解放せよ」と抗議の声も
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【8月21日 AFP】J・D・バンス米副大統領は20日、米首都ワシントンに動員された州兵部隊と面会。「D.C.を解放せよ」という叫び声が繰り返し上がったことで、会合が中断する場面もあった。
トランプ氏は、犯罪取り締まりの一環として首都ワシントンへの国家警備隊動員を命じたが、統計によれば同都市での暴力犯罪は実際には減少している。
国家警備隊によると、複数の共和党主導州からの部隊がワシントンに到着。コロンビア特別区(ワシントンD.C.)州兵が800人配備される中、オハイオ州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、サウスカロライナ州、テネシー州、ウエストバージニア州からさらに約1200人が派遣された。
バンス副大統領とピート・ヘグセス国防長官、スティーブン・ミラー大統領次席補佐官はこの日、首都ワシントンのユニオン駅で兵士たちを訪問した。
バンス氏は駅構内のファストフード店に入ると、兵士たちとあいさつを交わしたり、記者たちと言葉を交わしたりした。その外からは大きなやじが飛び、「D.C.を解放せよ! D.C.を解放せよ!」といったスローガンが叫ばれた。
バンス氏は妨害する人たちを「一握りの狂った抗議者」として一蹴。「外で『D.C.を解放せよ』と叫んでいる人々がいる。無法状態からD.C.を解放しよう。世界で最も高い殺人率の一つを持つワシントンD.C.を解放しよう」と述べた。
ブラジルの非営利団体イガラッペ研究所によると、2023年のデータでは米首都ワシントンの殺人発生率は世界の都市の中で50番目に高くなっていた。
地元警察のデータによると、2023年から24年にかけて暴力犯罪は大幅に減少したが、これは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)後の急増からの減少だった。
犯罪統計が警察によって操作されたのかと問われたバンス氏は、「わが国全体で犯罪統計が大幅に過小報告されていた。なぜなら、多くの人々が電話を取って誰かに助けを求めようとしても、誰も現れなかったからだ」と応じ、「犯罪が多すぎて、秩序をもたらすための法執行官が少なすぎる」と述べた。
ドナルド・トランプ米大統領は、州兵派遣に加えて、首都警察を完全に掌握しようと本部長の排除も試みた。提訴を受けて政権側は本部長が指揮を執り続けることを認める一方、移民法の執行を支援するよう促している。(c)AFP