セルビアで抗議デモ激化 腐敗不満、5日連続の衝突
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【8月17日 AFP】セルビアの首都ベオグラードや国内複数の都市で16日夜、現政権に反対するデモ参加者と警察の間で新たな衝突が発生した。衝突は5夜連続となった。
中部の都市バリエボでは、右派のアレクサンダル・ブチッチ大統領の政党に抗議する数千人が集結。覆面姿の若者らの小グループが与党セルビア進歩党の事務所を襲撃して放火した。事務所に人はいなかった。
その後、デモ隊は警官隊と衝突。デモ参加者が花火や石を投げつけ、警察は閃光弾や催涙ガスで応じた。
首都ベオグラードでも、与党本部へ向かうデモ行進を警察が阻止したことをきっかけに衝突が発生。北部の第2の都市ノビサドでも一部衝突が報告された。
昨年11月、鉄道駅の屋根が崩落して16人が死亡して以来、セルビアではほぼ毎日、政権交代を求める抗議活動が続いている。
この惨事はセルビアの根深い腐敗の象徴とされ、透明な調査を求める声はやがて早期選挙の要求へと発展した。
抗議デモにはこれまで、最も多い時で数十万人が参加した。しかし先週初め、多数のマスク姿の親政府支持者の集団が棒や花火を手にデモ隊を襲撃したことを受けて、数夜にわたる暴力的な衝突に発展。双方に多くの負傷者が出ている。
さらに、警官が無防備なデモ参加者を警棒で殴打する映像がネット上に拡散し、抗議活動の激化に拍車をかけた。(c)AFP