【8月7日 AFP】アフリカ中部ルワンダは、10代の妊娠対策を目的とした新法を制定し、15歳から親の同意なしに避妊薬を入手することを認めることになった。保守的な同国では、賛否両論が巻き起こっている。

ルワンダの人口は約1300万人で、うち40%が15歳未満。10代の妊娠率の高さが懸念されていたが、避妊薬を入手しやすくする計画は抵抗に直面していた。

世界保健機関(WHO)によると、10代の妊娠・出産の割合は世界的に低下しているが、サハラ以南のアフリカは最も遅れている。

議会は4日、親の同意なしに避妊薬を入手できる法定年齢を18歳から15歳に引き下げる医療サービス法案を可決した。

ルワンダでは10代の望まない妊娠は昨年、2万2000件を超えており、保健省は従来の年齢制限がこれを助長していたと述べた。

同法案は昨年議会に提出され、一度否決された。

ルワンダのNGO「GLIHD」のプログラムディレクター、ジョン・スカリウス氏はAFPに対し、「ルワンダの少女たちは15歳未満でも性的に活発であることが証明されている」「議会は良いことをした。進歩的な観点からこの問題を検討してくれたのは良いことだ」と語った。

同法案は、10代の少女が避妊薬や避妊インプラントを利用できるようにするものだが、コンドームを優先すべきだと主張する議員もいる。

議会に提出された報告書によると、ルワンダでは過去5年間で10代の少女10万人が望まない妊娠を経験している。望まない妊娠は同国の学校中退の理由でトップとなっている。

スカリウス氏は、「この法案によって10代の妊娠が減少し、学校中退や違法中絶が最小限に抑えられ、中絶関連の死亡者も減少、あるいはゼロになることを期待している」と述べた。

だが、親であり、元医療従事者でもあるカレメラ・シャーロットさんは、この法案が「非常に危険な扉を開く」と懸念を示した。

シャーロットさんは首都キガリで、「15歳のわが子にコンドームを持たせて学校へ送り出すなんて考えられない。まるで不道徳を公然と奨励しているみたいだ」「これはある意味、中絶を促進することになるだろう」と述べた。

ルワンダでは、レイプ、近親相姦、強制結婚による場合を除き、中絶は違法となっている。(c)AFP