【三里河中国経済観察】中国経済、上半期の成長力と自信示す
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【8月2日 CNS】国家統計局は7月15日、2025年上半期の中国経済統計を発表した。いわば上半期の成績表ともいえる今回のデータでは、多くの主要指標が市場予想を上回る結果となった。
当初、複数の調査機関は上半期のGDP成長率を5.2%と予測していたが、実際には5.3%に達し、期待を超えた。また、関税摩擦の影響で輸出が鈍化するとの見方もあったが、上半期の輸出総額は初めて13兆元(約268兆9687億円)を突破。6月の単月輸出も前年同月比で7.2%増となり、前月から0.9ポイント上昇した。
製造業の成長にも勢いがある。業界内の激しい競争で伸び悩みが懸念されていたが、6月の規模以上工業付加価値は前年同月比6.8%増。市場予想の5.5%を大きく上回り、前月の5.8%も超えた。産業部門が経済の安定を支える「アンカー」としての役割を確実に果たしている。
消費の回復も順調だ。上半期の社会消費品小売総額は前年比5.0%増で、第1四半期から0.4ポイント加速。消費が経済成長に占める寄与度は52%に達し、依然として主たる成長エンジンであることを示している。
生活関連指標を見ても、雇用は安定し、都市部の調査失業率はやや改善。国民の所得も堅調に推移し、全国平均の可処分所得は2万1840元(約45万1867円)となり、物価変動を除いた実質成長率は5.4%。GDP成長率を上回る伸びを示した。
地政学的な緊張や外部からの圧力が増す中で、こうした成果を挙げたことは、経済の基礎体力と政策運営の的確さを裏付けるものだ。
中国経済が予想を上回る成長を遂げた背景として、粤開証券のチーフエコノミスト、羅志恒(Luo Zhiheng)氏は、主に以下の要因を挙げる。老朽製品からの買い替え促進策が消費の回復を後押しし、大規模な設備更新支援策が製造業投資を高水準に保ち、財政支出の前倒し実施がインフラ投資の高成長を支えた。また、輸出促進策が海外市場での競争力を維持した。
さらに、消費と投資の裏には、中央と地方政府による連携と、特別国債や地方債の積極的活用がある。「新型インフラ」や「重点プロジェクト」に関する政策が引き続き効果を発揮し、マクロ政策の下支えとして機能しているという。
この上半期経済データからは、中国経済の強靭さが浮かび上がる。抑圧や制裁が押し寄せても、新興国市場への輸出が増加を続け、産業の高度化が「中国製造」の付加価値を高め、超大規模の国内市場が外的ショックを吸収している。
こうした強さは、数十年にわたる産業基盤の蓄積と、14億人の消費力に支えられたマーケットの自信によってもたらされている。
また、新しさも見逃せない。新しい生産力の芽が次々と開花している。たとえば、深度求索(DeepSeek)の大規模言語モデル、ロボットによるマラソン、自動運転や航空宇宙分野の成果など、数々の技術革新が実用段階に達している。
これらの成果は偶然の産物ではなく、「イノベーションと産業の融合」がもたらした必然的な進化だ。上半期のハイテク産業付加価値は前年同期比で9.5%の伸びを記録し、新産業・新技術・新業態が急速に発展していることが裏付けられた。
さらに、自信もにじみ出ている。国家統計局は記者会見で、「下半期も中国経済は安定成長を維持できる」と明言。これは楽観ではなく、政策的な裏付けに基づいたメッセージである。
中央政府の指示を受け、関連部門は下半期向けの新たな政策パッケージを策定中で、安定成長への後押しが続けられる。また、「政策ツールボックス」にはまだ多くの選択肢が残されており、市場の変化に応じて柔軟に対応できる準備も整っている。
最近では、多くの国際金融機関が世界経済の減速を予測する一方で、中国の成長見通しを相次いで上方修正している。これは、中国経済への期待と信頼を反映したものである。
この半年間の動向を通じて、中国経済の「成長の論理」が改めて確認された。政府の政策という「見える手」と市場の力という「見えざる手」とが連動すれば、持続的な活力と安定性が引き出されるのだ。
将来的に不確実性やリスクに直面することはあるだろう。しかし、この上半期経済データからは、中国経済が長期的なサイクルを乗り越えるための確かな底力が読み取れる。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News